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技術コラム

撹拌実験事例:洗剤vs泡立ちを抑制する撹拌機

2019/06/05 09:00

BEAG搭載の撹拌機による泡立ち抑制実験の様子

空気を巻き込みにくい撹拌子 BEAGを搭載したMONOVATEの撹拌機。
その性能を調べるため、今回は水と洗剤が入った水槽の撹拌を行い、空気の巻き込みによる泡立ちを抑制できるか実験しました。
プロペラ撹拌機と比較した結果、大幅に泡立ちを抑制することができました。

洗剤撹拌泡立ち比較の様子

このセクションでは、プロペラ撹拌機とBEAG撹拌機の泡立ち比較実験の様子を動画でご紹介します。両者の違いを視覚的に確認できます。

プロペラとBEAGで泡立ちを比較すると、BEAGは泡立ちを大幅に抑制します。

この動画で使用している撹拌機はこちら
ベルヌーイ流撹拌機【NTMシリーズ】

そもそも泡の発生原因って?

泡が発生する原因は、大きく4つに分類できます。

(1)内容物の反応
(2)粉体など投入物に含まれている空気
(3)投入時の、液面との衝突
(4)撹拌時の、液面からの空気巻き込み

この撹拌機は(4)撹拌時の、液面からの空気巻き込みの原因を解消します。
遠心力と容器内の圧力差を利用して撹拌するので、液面からの空気巻き込みを抑制することができるのです。
泡の対策には、その原因が何なのかを突き止めることが重要です。

泡の何がいけないの?生産への悪影響とは

泡の発生は製造プロセスにおいて様々な問題を引き起こします。以下では、泡がもたらす具体的な悪影響を3つのケースで解説します。

オーバーフロー

泡の大量発生によるオーバーフロー現象のイメージ図

泡が大量に発生することで、容器や槽から内容物があふれ出てしまう現象です。
原料ロスや、有害な内容物だと事故につながる恐れもあります。

不正確な計量

泡立ちによる計量精度低下の問題を示す図

「炭酸ジュースを勢いよく入れたら泡だらけになり、泡が消えると思ったより量が少なかった…」こんな経験がある方も多いでしょう。
生産の工程でも同じことが起こりえます。泡立った液体を正確に計量するのは困難で、誤差が発生する恐れがあります。

塗料、食品の口当たり等の品質への影響

泡が最終製品の品質に与える悪影響を示す図

泡の存在が最終的な品質を左右することもあります。
塗装インクが泡立っていたら均一に壁などを塗ることができません。
また食品の場合は、なめらかな食感を損なってしまう恐れがあります。

泡の対処例

泡の対処法として、代表的なものをご紹介します。ここでは泡の発生原因に応じた効果的な対策方法を解説します。

真空脱泡

圧力容器を使用して容器内を減圧状態にすることで、液中の気泡を除去します。

バッフル(邪魔板)の設置

ボルテックス(渦)の発生を抑え、空気の巻き込みを抑制できます。

【関連製品】ヘルールバッフル

容器の蓋にヘルールで接続します。容器内に直接溶接で取り付けるタイプと異なり、容器の洗浄性を維持できます。工程に合わせて着脱も可能です。

ヘルールバッフル - ボルテックスの発生を抑え空気巻き込みを防止する装置

流入管の設置

液体投入時の液面との衝突を軽減します。

【関連製品】流入管

容器の蓋にヘルールで接続します。液体が容器の内壁を伝うように設置することで、液面との衝突を軽減します。

液面との衝突を軽減する流入管装置

まとめ

・泡の発生原因は大きく分けて4つ

・撹拌時の空気巻き込みが原因なら、BEAG搭載の撹拌機で軽減できる

・泡の存在は最終製品の品質を左右することも

撹拌実験動画のご紹介

この章では、他の撹拌実験の動画資料をご紹介します。様々な条件下での撹拌効果をご確認いただけます。

この実験以外にも、撹拌実験の様子を動画でご紹介しています。
ぜひご覧ください。

撹拌動画を見る 

泡立ち抑制や撹拌技術に関する他の記事も参考にしていただくことで、より効果的な製造プロセスの改善につながります。

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