泡立ちは非効率的な作業につながる
泡立ちは、扱うものによっては以下のようなトラブルの原因になります。
- 不正確な計量(センサーの液面誤検知、目盛りの誤読など)
- 品質への悪影響
- オーバーフロー
- 充填工程に支障をきたす
- 排出後泡がタンク内に残り、ロスが発生する。洗浄に時間がかかる。
泡が消えないと次工程へ進めない場合、消泡や脱泡といった泡を消す工程をはさんだり、放置して泡が自然に消えるのを待ったりしなければなりません。これは作業の妨げになり非効率的です。
言い方を変えれば、少し泡立ちの量が減るだけでも、作業効率の向上が見込めます。
泡立ちの原因はひとつではない
今回のテーマである「投入による泡立ち」には、複数の原因が考えられます。
- 内容物の反応により泡が発生する
- 液面と投入物の衝突により空気を巻き込んで泡立つ など
今回は液面と投入物の衝突による空気の巻き込みによる泡立ちの対策を、簡単にですが実験します。
「泡立ちを抑える投入方法」実験
概要
5Lの水に食器用洗剤を少量混ぜ、タンクへ投入する(原料タンクから次工程のタンクへ投入するイメージ)。その後、液面から泡だけを回収し量を比較。
泡が少ないほど泡立ちにくい投入方法と考えられる。
以下の投入方法を検証する。
- 蓋を開けて投入する
- 流入管で投入する
- 流入管で少しずつ投入する
▲ 流入管とは、液体の投入時に使用する管です。
タンクの壁面に液体を伝わせる構造で、液の勢いを和らげてタンク内に液体を溜めることができます。
今回はホッパー、バルブと組み合わせて使用します。
結果:流入管で泡立ちを半分以下まで抑制
流入管を使用し、少しずつ投入することで大幅に泡立ちを抑制できました。あくまで目視の範囲でですが、蓋を開けて一気に投入した場合と比較して泡の量は半分以下になっています。
投入に時間はかかりますが、泡立ちの抑制としては非常に効果的です。
※写真の撮影角度が異なり液面が不均等なため、若干の誤差があります。
流量を絞らず投入した場合も若干ですが泡立ちを抑えられました。
泡が自然に消えるのを待つのは、非常に時間がかかります。今回の実験でビーカーに回収した泡を2時間ほど放置しましたが、泡が完全に消えることはありませんでした。
原料投入時の泡立ちにお困りの方は「流量を絞りながら流入管で投入する」ことをおすすめします。