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技術コラム

ダマになりやすい粉体(乾燥卵白)と液体の撹拌実験
2024/10/09 11:00

撹拌装置を設計・製作している当社には「液体と粉体を混ぜた際のダマ」についてよくご相談いただきます。
ダマがあることで製品の均一性が損なわれるほか、ダマ解消のために濾過工程を追加したり、人がダマをすりつぶす作業が発生したり、人件費の増加にもつながります。

今回はダマの軽減・解消のヒントを探るべく、ダマになりやすい粉「乾燥卵白」と水の溶解を当社でよくご提案する「ベルヌーイ流撹拌機」で撹拌実験を行いました。

なお本実験は動画でもご覧いただけます。
動画で見る >

※この実験は実現象の再現を保証するものではありません。

実験概要

水20Lに乾燥卵白400gを投入・溶解。10分ほど撹拌し、タンク内のダマを取り出し量を確認します。

3種類の撹拌機の羽根(撹拌羽根・撹拌体)で上記の実験を行います。
撹拌機は当社オリジナルの「ベルヌーイ流撹拌機」を使用。

乾燥卵白ってどんな粉?

卵白をスプレードライし粉末状にしたもので、既定の分量で水に溶かすと液状の卵白に戻ります。
水に溶けにくく、投入すると液面に浮いてくるような性質です。

ベルヌーイ流撹拌機の基本形「BEAG」で混ぜてみる

まず、ベルヌーイ流撹拌機で標準仕様の撹拌体「BEAG」で実験します。

撹拌機の回転数を500rpmに設定し約10分間撹拌したところ、残念ながらダマがまだまだ残っていました。
BEAGはせん断力が低い撹拌体なので、ダマになった乾燥卵白を崩す力が足りなかったようです。

撹拌後のタンク

撹拌後のタンクに残っていたダマ

「BEAGとディスパー」を組み合わせて混ぜてみる

ディスパーとは撹拌羽根の一種で、円盤の縁にノコギリのような歯が立った形状です。
BEAGに不足している「せん断力」を付加し、液中の塊を壊すような作用をします。

BEAGの上部にディスパーを追加して、先ほどと同じ条件で撹拌します。

撹拌後のタンクから取り出したダマを見ると、まだダマが残っていました。しかしBEAGのみで混ぜた場合に比べダマの量を減らすことができています。

BEAGのみ

BEAGとディスパー

「BEAGとパンチングカバー」を組み合わせて混ぜてみる

パンチングカバーとは、上の写真のようにBEAGの外側に取り付けるオプション品です。
「下から吸い上げて横方向に吐出する」というBEAGの液流を生かし、せん断力を付加します。

撹拌後のタンクをを確認したところ、ダマはありませんでした。パンチングカバーやBEAG本体へのダマ付着もありません。
今回実験した中ではBEAGとパンチングカバーの組み合わせが乾燥卵白のダマ解消に最も適していました。

BEAGのみ

BEAGとディスパー

BEAGとパンチング

この実験は動画でもご覧いただけます!

まとめ

デモのイメージ

MONOVATEでは撹拌機とステンレスタンクを組み合わせた撹拌ユニットを数多く販売しています。
しかし撹拌の成功条件は一意でなく、混ぜるものの配合・物性や撹拌の環境などにより大きく左右されます。確実な検証にはテストが不可欠です。

MONOVATEではこのコラムでご紹介した撹拌機などをお試しいただけるテストセンターをご用意しております。お客様が抱えている課題を解決できるかテストの上、導入をご検討いただけます。

詳細はデモのご案内ページをご覧ください。

デモの詳細を見る