衛生グレードの高い場所で使われるステンレス容器。そのような現場では、異物混入対策に注力されていることも多いです。
この記事の前編「ステンレス容器周辺でできる異物混入対策~貯蔵・投入工程~」では、貯蔵・投入工程において行える異物混入の対策手法についてご説明しました。
続く後編では、撹拌と洗浄の工程でご提案できる異物混入対策方法についてご説明します。
目次
前編のおさらい?貯蔵・投入工程での異物混入対策
前編である「ステンレス容器周辺でできる異物混入対策~貯蔵・投入工程~」でご説明した内容を、簡単に振り返ります。
- 「長期保管でパッキンが劣化し、混入してしまう」
→内容物に合った材質を選択しましょう。 - 「内容物の種類や残量を確認するために蓋を開放し、異物が混入する」
→容器自体にマーキングしたり窓を取り付けたりする方法のほか、アクリル蓋やレベル計を付ける方法があります。 - 「投入時に蓋を開放して、そこから容器外の異物が混入してしまう」
→必要なスペースだけを開閉できる割蓋などで、開放部を必要最低限にしましょう。 - 「投入前にビーカーで計量した原料に異物が混入してしまう」
→ビーカー専用の蓋を製作できます。
前編~貯蔵・投入工程~はこちら
以下では、前編の貯蔵・投入工程に続いて、撹拌・洗浄工程でできる異物混入対策についてご紹介します。
撹拌工程の異物混入リスクと対策
「撹拌機を設置時、開放部から異物が混入してしまう」
→開放部を必要最低限にしましょう
蓋に撹拌機用の切り欠きを付ける方法
撹拌をする際に蓋が開いていると、作業者の髪の毛や虫などが落下、混入する可能性があります。それを防ぐのに効果的なのが、切り欠き付きの蓋に可搬型の撹拌機を付けるという方法です。
蓋をしたまま撹拌できるよう、撹拌機の軸を通すのに足りる切り欠きを蓋に設けることができます。また、特注でその切り欠きにカバーを取り付けることもできるため、撹拌しない際には撹拌機を取り外したうえでカバーをして、さらに異物混入防止性能を高められます。
ヘルール接続の撹拌機で容器内を密閉する方法
容器内を密閉したい、という場合にはヘルール接続できる撹拌機がおすすめです。この方法であれば開放部が生じませんので、上記の方法に比べさらに衛生的です。
「撹拌機の軸シール部で生じる摩耗粉が混入してしまう」
→摩耗したシールを回収できる、ゴミ受け搭載の撹拌機を使用しましょう
一般的な撹拌機の場合、撹拌機を動作させると軸シール部から摩耗粉が生じ、それが混入する可能性があります。
しかし、MONOVATEのベルヌーイ流撹拌機【NTMA/NTME】ならそのリスクを低減。軸シール部から発生した摩耗粉を受け止めるゴミ受けを標準搭載することにより、摩耗粉が容器内に落下しにくくなっています。
通常、それほど着目されない部分ですが、衛生グレードの高い場所ではこうしたコンタミリスクを意識されることも多いようです。
洗浄工程の異物混入リスクと対策
「洗浄液や異物が容器のスキマに残り、その後の使用時に混入してしまう」
→スキマの少ない容器を使用しましょう
容器やその他機器を使用後、キレイに洗浄をしたつもりでも汚れや異物が容器のスキマに残ってしまったり、洗浄に使用した液自体が残存してしまったりすることもあります。
それを防ぐのに効果的なのが、スキマの少ない容器。サニタリー容器やサニタリービーカーは取っ手や縁巻き部のスキマをすべてなくしており、異物や液が残存しません。
液残りしないサニタリー容器
ステンレスビーカーの比較
また、ひしゃくやサニタリーバットも同様にスキマがないため、洗浄が楽であるうえに汚れが残りにくいです。
当社ではこのほかにも洗浄しやすく、汚れが残りにくいバルブや配管もラインナップ。容器とあわせてご提案いたします。
【技術コラム】洗浄時間を短縮できるスキマの無い容器
入り込み、取れなくなった。
困っている。
洗浄液の除去に時間がかかる。
まとめ
今回は前編と後編にわたり、貯蔵から投入、撹拌、そして洗浄工程において当社が提案可能な異物混入対策についてご紹介しました。
異物混入のリスク要因はさまざまです。当社ではそれぞれのリスク要因を低減するための対策を、お客さまが必要とするグレードに応じてご提案できますので、お気軽にご相談ください。
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