
粉体材料や有機溶剤などを扱う場所では、それらを吸い込むこと(暴露)で健康に影響が出ることを防ぐために、暴露対策が必要になります。
作業者側での対策もありますが、いかに設備側で作業者への暴露の要因を抑制できるかが重要です。
このコラムでは粉体の取り扱い時をメインに、当社がステンレスタンク周辺でご提案できる暴露対策をご紹介します。
投入するときは「舞い上がり」を抑える
粉体や微粒子を投入する際に発生しやすい「舞い上がり」は、作業環境の悪化や材料ロスの原因になります。以下では、粉じんの飛散・拡散を抑え、安全で効率的に投入するための具体的な方法をご紹介します。
半分だけ開く蓋を使う
半割蓋や分割蓋を使用して、投入口以外は蓋しておけるようにします。
蓋をすべて外さないようにすることで、粉の舞い上がりを抑えます。
集塵フードと局所排気装置を使う
タンクに集塵フードと集塵機などの局所排気装置を組み合わせることで、投入時に舞い上がる粉を捕集できます。
集塵フード一体型のタンクと局所排気装置を使う
集塵フードが付いたタンクを使うことで、より効率的に粉じん対策ができます。
有機溶剤による部品洗浄に対応できるように、カスタマイズした事例もあります。
吸引ノズル+バキュームシステムを使う
吸引ノズルとバキュームシステム(空気輸送機)を使えば、粉の舞い上がりや材料のロスを抑えて投入できます。これにより、作業者による材料の運搬や材料を持ち上げて投入するなどの重作業が省力化でき、作業者の負担低減にも効果的です。
取り出すときは「漏れ」を抑える
粉体や微粒子の取り出し時に発生する「粉漏れ」は、作業環境の汚染や製品ロスの原因になります。ここでは、排出時の漏れを最小限に抑え、スムーズかつ安全に回収するための方法をご紹介します。
フレキシブルジョイントor布製のシュートを使う
粉体の取り出し口(排出口)と受けタンクをフレキシブルジョイントや布製のシュートなどで接続すると、粉漏れすることなく取り出せます。
粉体回収容器を使う
受けタンクが設備に直接接続できる仕様であれば、粉を漏らさずに取り出せます。フランジ配管に接続できる回収容器や、ヘルール配管に接続できる回収容器があります。
取り出したい粉体が詰まりやすいときは・・・
排出時に粉詰まりが生じる場合は、粉が飛散しにくいブリッジブレーカーの使用をおすすめします。
当社でホッパータンクを製作する際にご提案できるブリッジブレーカー・ブレイクロッドは、手動でエアーも使用しないため、粉の飛散を抑えつつ粉詰まりを解消できます。

関連コラムの「粉が詰まる!」を解消する方法とは?にて、粉体が詰まる原因と、排出性を高めるための対策例や容器選定のポイントをご紹介しています。
混ぜるときは「飛散」を抑える
粉体の混合時に飛散が発生すると、作業環境の汚染や作業者への健康リスク、歩留まりの低下につながります。ここでは、混合中の飛散を防ぐ方法をご紹介します。
密閉したまま混合する
容器回転式の混合機なら、密閉状態で粉体が飛散することなくしっかり混合できます。さらに容器脱着式であれば、移し替えや投入による暴露リスクも抑えられます。
運搬するときは「密閉」する
粉体や液体の運搬時には、密閉性が不十分だと内容物の漏れや異物混入のリスクが高まります。ここでは安全で衛生的に運搬するための方法をご紹介します。
密閉タイプのステンレスタンクを使う
当社製品の密閉容器の場合、タンクに付いたキャッチクリップを蓋に引っ掛けて密閉するクリップタイプと、タンクと蓋の全周をレバーバンドで締めて密閉するバンドタイプがあります。
クリップタイプは開閉が簡単におこなえるのが特長で、バンドタイプは施錠や封印などをおこなえる特長があります。
密閉度については、キャッチクリップとレバーバンド 密閉度を比べてみましたをご覧ください。
暴露リスクを抑えられるホッパータンク
コンテナホッパーのようにパレット一体型のタンクを使えば、輸送も保管も設備への接続も1台でおこなえます。
移し替えの回数を減らすことができ、暴露リスクを抑えられます。

暴露対策はコンタミネーション対策にもつながる
粉体材料を扱う場合、設備側で暴露対策をすることで、粉じんの飛散を抑えることができます。
粉じんの飛散はコンタミネーション(異物混入や汚染)の原因にもなるため、暴露対策はコンタミネーションのリスクを抑えることにもつながります。
粉体や溶剤などの暴露対策が必要な材料は、様々な産業で使われています。
ステンレスタンクやその周辺での対応が必要になった際には、タンクメーカーであるMONOVATEへ気軽にお問い合わせください。業界を問わず、お客様にあわせた暴露対策やコンタミ対策をご提案いたします。
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