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設備が老朽化したらどうする?中小企業の設備更新のポイントとは ~ステンレス容器編~

2026/02/16 15:25

設備が老朽化したらどうする?中小企業の設備更新のポイントとは

製造現場において、設備の老朽化に伴う生産停止リスクやメンテナンスコストの増大は、避けて通れない共通の課題です。

特に医薬品製造や食品製造、化学薬品製造などの現場で欠かせないステンレス容器は、他素材の容器に比べて耐久性が高く、長期間使用されることの多い設備です。

一方でその耐久性の高さから、工場全体の設備更新計画においては優先度が下がりやすく、不具合やトラブルが顕在化するまで更新の検討が後回しになってしまうことも珍しくありません。

特に中小企業の工場では限られた人員や予算の中で設備を運用しているケースが多く、生産継続を優先するあまりに設備更新の判断が遅れ、気づいたときには老朽化が進んでいるという状況が生じやすい傾向があります。

このコラムでは、中小企業の工場で課題となりやすい「設備の老朽化」に着目し、ステンレス容器を例に、設備更新を検討する際のポイントをご紹介します。

ステンレス容器 老朽化のサインとは?

  • 腐食(錆び・孔食など)が発生した
  • 洗浄しても汚れが落ちにくい
  • 修理の頻度や保全コストが年々増えている など

ステンレス容器の耐用年数は?

ステンレス容器の例

MONOVATE製ステンレス容器の耐用年数(寿命)は、使用条件や保全状況により異なるため当社では設定しておりません。

参考として、減価償却資産の耐用年数表では、金属製の容器は3年、一般的な化学工業用設備の法定耐用年数は8年、食料品製造業用設備は10年となっています。
この耐用年数は減価償却計算のためのもので実際の使用可能期間とは異なりますが、設備更新を検討し始める目安になります。

実際には錆び具合・汚れ具合など、使用環境で求められる衛生グレードや修繕費・維持費を鑑みて更新をご検討ください。

設備更新までの流れ(一例)

設備の老朽化は生産停止や修繕費の増大を招くため、適切なタイミングでの更新計画が不可欠です。
ここでは検討開始から稼働までのフローを、判断ポイントとあわせてご紹介します。

  1. 老朽化・問題の顕在化 「腐食が発生した」「監査で指摘された」
  2. 更新の必要性判断 「停止リスクが大きい」「法規や顧客要求を満たせない」
  3. 更新目的・要求仕様の整理 「どうせ変えるなら自動化したい」「今の使い勝手は維持したい」
  4. 概算見積の取得・投資判断 「上層部を説得できるか」「他社と比べて妥当か」
  5. 詳細設計・発注先選定 「本当にうちの現場で使えるか」「抜け漏れはないか」
  6. 正式発注・製作 「納期に間に合うか」「進捗に遅れはないか」
  7. 据付・試運転 「無事に立ち上がるか」「現場が操作を覚えられるか」

どこに見積を出す?見積取得時のポイント

見積取得先の例として、以下の3パターンが挙げられます。

  • 既存容器の製造元
  • 社内外からの紹介
  • 専門メーカー

既存容器の製造元はどこを見たらわかる?

ステンレス容器は、以下のような部分から、製造元(メーカー名)がわかる場合があります。

  • 容器に直接メーカー名やブランド名が印字されている
  • 銘板(仕様や容量などが印字された板)がついている
  • 導入当時の図面や記録に書かれている

既存容器の製造元への見積依頼は、既存容器の構造に詳しい・工場の制約(天井高・配管)を把握している・実績があり決裁者へ説明しやすいなどのメリットがあります。

しかし、「古すぎて、タンクメーカーが廃業している」「図面もなく製造元もわからない」というケースも多く、新しい設備の手配に困っている設備担当者も少なくありません。

特にオーダーメイドで製作された1品物の特注容器は、当時の図面や記録がなく製造元が不明だと、更新の際に大きなハードルとなります。

そのような場合は、保全・設備関係のお取引先や、容器専門メーカーのMONOVATEへご相談ください。
更新目的・要求仕様と、既存設備の全体像や特長的なパーツなどが分かる写真を添えてお問い合わせするとスムーズです。

\ 設置場所や使い方に合わせて1台からご提案します /
設備更新のお問い合わせ・ご相談はこちら

見積金額に影響するポイント

ステンレス容器の更新費用を見積もる上で必要な情報は、案件ごとに異なります。
ここでは一例として、5つのポイントをご紹介します。

  • 容量や材質(SUS304/SUS16L)…サイズや材質の制約があるか
  • 周辺機器の有無(撹拌機/ポンプなど)…どの範囲までのご依頼か
  • 温度管理の有無(昇温/冷却)…どのくらいの精度で温度管理するか
  • 既存配管の流用可否…(昇温希望の場合)工場内にスチームや温水の配管があるか
  • 使用環境や搬入条件…クリーンルームや防爆エリアでの使用か

設備更新の事例4社まとめ

実際にMONOVATEへ設備更新のご依頼があり、導入いただいた4社の事例をご紹介します。

30年使用した撹拌タンクの更新

他メーカー製の撹拌タンクから、MONOVATE製撹拌タンクへの設備更新のご依頼でした。

30年使用している撹拌タンクのサビ発生による品質リスクと、10回に1回発生する部品破損による原料ロスの改善が課題でした。
改善策や結果を見る 

製薬会社様導入事例

ボイラー廃止にともなう撹拌温調タンクの更新

運用が大変なボイラー設備の使用をやめるため、電気式温調撹拌タンクへの更新のご依頼でした。

昇温時間がスチーム式と遜色なくできることと、内容物を90℃まで上げられることが条件でした。
改善策や結果を見る 

第一薬品産業株式会社様導入事例

スケールアップのための更新

仕込み量をアップさせ、かつ作業者負担も軽減させたい設備更新のご依頼でした。

製品の需要が増えていく中で、仕込み量を増やしつつ品質を管理できる新しい製造方法が必要でした。
改善策や結果を見る 

株式会社アスク様導入事例

以前納入した部品の更新

以前MONOVATEで製作した部品の作業性向上目的での設備更新のご依頼でした。

粉砕機にセットする原料回収袋が外れることによる作業工数の増加(残業対応)が課題でした。
改善策や結果を見る 

ファインケミカル メーカー Z社様導入事例

設備更新でよくある失敗・トラブル

発注していざ納入!しかし以下のような失敗やトラブルが生じるケースがあります。

  • 現場採寸不足で据付できなかった
  • 安さ重視で選び、洗浄性や耐久性に問題が出た
  • 既存作業フローを考慮せず、使いにくくなった

このようなトラブルを防ぐためにも、設備更新のご相談時には見積金額に影響するポイントとあわせて以下の情報を連絡することや、既存設備を見ながら現地での打ち合わせを依頼することがおすすめです。

  1. 現在お使いの設備の図面または写真
  2. 更新理由(老朽化、安全性、効率化など)
  3. 今回の更新で重視する点やご要望事項
\ 「見に来てほしい」「価格帯をざっくり知りたい」「まずはWEBで話を聞きたい」 /
設備更新のお問い合わせ・ご相談はこちら

中小企業の設備更新のポイントまとめ

  • 生産停止やトラブルが起こる前に更新計画を立てる
  • 既存設備の情報や今回の更新目的、要求仕様を整理する
  • 2を既存設備の製造元などに問い合わせし、見積もりを依頼する

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参考文献: 東京都主税局. "別表第2 機械及び装置の耐用年数表". 東京都主税局. https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/tax/hyo02, (参照2026-01-07) 東京都主税局. "主な減価償却資産の耐用年数表". 国税庁. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf, (参照2026-01-14)