技術コラム

手作業を減らそう!省力化で作業効率を上げるステンレス製品
2020/09/08 09:00

手作業を減らそう!省力化で作業効率を上げるステンレス製品

製造業における自動化や省力化(省人化)は、医薬品工場や食品製造現場など、作業の衛生性や効率性が求められる多くの現場で重要なテーマとなっています。

「自動化」と聞くと、手作業を機械に置き換える大規模なシステムを思い浮かべがちですが、多品種少量生産や試作開発などでは、自動化が現実的でない工程も少なくありません。

そのような場合でも、まず着手すべきは、機械の導入や作業の見直しによる「省力化」です。省力化は、作業者の負担を軽減し、効率化・コスト削減・人的ミスの防止につながる有効な手段です。

このコラムでは、MONOVATEがご提案するステンレス容器の省力化活用例として、「容器の洗浄作業の負担軽減」「撹拌・溶解工程の効率化」「液体の移し替え作業の省人化」といった3つの現場改善策をご紹介します。医薬品・食品・化学など、製造現場での省力化を検討されている方にぜひご参考いただきたい内容です。

ステンレス容器の自動化工程への導入については、工場の自動化に欠かせない ステンレス容器のカスタマイズをご覧ください。

1. 容器の洗浄作業の負担軽減

作業者の負担が大きくなりがちな「容器の洗浄作業」について、医薬品や食品などの製造現場でよくある課題と、その解決につながる省力化の工夫をご紹介します。

大型で重い容器を持たずに洗う

径の大きな容器や重い容器の洗浄工程は、生産工場のなかでも特に作業者の負担が大きい工程です。

複数人で作業する場合はその分工数がかかってしまいます。

このような場合には、反転機能付きのステンレス容器がおすすめです。容器を持たずに洗浄できるため作業時間が短縮され、1人でも対応可能になります。

撹拌機の着脱を楽にする

撹拌機(攪拌機/かくはん機)を取り付けたステンレス容器の場合、容器の洗浄時に撹拌機を取り外します。

大型容器に取り付ける撹拌機の場合は、重量のあるものや高い位置に取り付けているものが多く、着脱作業は慎重におこなう必要があります。そのため着脱に時間がかかったり、複数人での作業となってしまい工数がかかります。

このような場合には、撹拌機の昇降機能を付けたステンレス容器や、撹拌機用リフターがおすすめです。これらを採用することで、撹拌機を容器から取り外す必要がなくなるため洗浄がしやすくなり、昇降操作も安全に1人でおこなえます。

2. 撹拌・溶解工程の効率化

医薬品・食品・化粧品・化学製品など、粘度の高い液体や焦げやすい成分を扱う製造現場では、撹拌や溶解に時間がかかることが多く、作業効率や品質にも影響します。

ここでは、そうした工程を効率化できるステンレス容器や撹拌タンク、撹拌装置をご紹介します。

粘度のある液体の撹拌に時間がかかっている

粘度のある液体は撹拌しにくく工数がかかるだけでなく、混ぜきれなかった部分はロスとなってしまいます。

加温が可能な内容液の場合には、ジャケット付きのステンレス容器がおすすめです。加温することで粘度が下がり撹拌しやすくなり、撹拌時間が短縮できるだけでなく、撹拌不足によるロスの低減につながります。

高粘度液の撹拌方法については、粘度とは?高粘度の液体でよくある問題と対策にて詳しく解説しています。

液が焦げやすい

液を温めたい場合に手軽なのが直火での加温ですが、火加減の調節や焦げないようにかき混ぜるなどの手作業が必要になります。特に粘度が高い液や焦げやすい成分の液の場合は、焦げないようにこまめに確認しなければいけません。

このような場合には、ヒーターユニットのような、ジャケットカクハン機取付座が付いた撹拌タンクがおすすめです。湯煎のようにやさしく加温でき、内容液が焦げにくくなります。また、加温時に撹拌機を併用することで、液を均一にかき混ぜながら温度を安定して調節できます。

溶解と撹拌の工程が分かれている

溶解と撹拌の作業工程が分かれていると、移し替えでロスが発生したり、異物混入なども起こりやすくなります。また、手作業でかき混ぜたり、ミキサー等を持ちながらの撹拌は作業者に負担がかかってしまいます。

このような場合には、温調と撹拌が1台でおこなえる撹拌温調ユニットがおすすめです。内容液を加温しながら均一に撹拌できるため、溶解と撹拌の工程を一体化でき、移し替えによるロスを防げます。さらに、撹拌機を持たずに自動で撹拌できるため、作業中に他の工程に取りかかることも可能です。

そのほか短時間で溶解させる方法について知りたい方は、溶解時間を短縮する方法とは?もあわせてご覧ください。

3. 液体の移し替え作業の省人化

製薬・食品・化粧品などの製造現場では、液体の移し替え作業に多くの人手がかかっているケースが少なくありません。

ここでは、作業効率と衛生管理の両立を目指した省人化のアイデアをご紹介します。

手作業での液の移し替えをやめる

撹拌などを経てできあがった液を別の容器や装置へ手作業で移すとロスが発生しやすく労力もかかります。また、異物混入やコンタミネーションなどのリスクも高まります。

このような場合には、ポンプ付きの撹拌タンク圧送機能付きの圧力容器がおすすめです。容器から次工程へ内容液を直接送ることができ、圧送タイプであればポンプを使わずに取り出すことも可能です。

ロスや歩留まりの改善については、「投入や排出のロスを改善するカスタマイズ」を実績からご紹介しますもあわせてご覧ください。

撹拌後の工程が別のエリアにある

液体の撹拌後、移し替えたい容器や装置が離れたエリアにある場合、液が入った重い容器を持ち運ぶのは重労働です。

このような場合には、キャスターやカクハン機取付座が付いた撹拌タンクがおすすめです。調合した液を容器に入れたまま持たずに運搬でき、撹拌機を取り外さずに移動できるなど、省人化・省力化のメリットがあります。

お客さまに採用された省力化事例

ここでは、実際にお客さま採用された、省力化に関する製品のオーダーメイド事例をご紹介します。

蓋と容器の取り扱いをリフターで省力化

冷却混合用撹拌ユニット【採用事例】
  • 容器や撹拌機を取り付けたままリフターで移動・設置ができ、作業の手間と人手を削減。
  • キャスターとリフターを併用することで、容器の移動が容易に。

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食用油の温度管理や残量管理を省力化

400L食用油一時受け容器 【採用事例】
  • 撹拌機とポンプの操作を制御盤で一括管理でき、作業の手間を削減。
  • 台車一体型の設計により、装置全体を簡単に移動できる。
  • 内容液の温度管理やレベル測定が自動化されており、作業負担を軽減。

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溶液の多品種少量生産の省力化

溶液生産タンク(多品種少量生産用)【採用事例】
  • 撹拌機の着脱をフォークリフトでおこなえるようにし、重作業の人手負担を軽減。
  • 容器内面にフッ素樹脂コーティングと洗浄ノズル付蓋を採用し、粘性物の固着を抑えて洗浄作業を効率化。
  • 撹拌機の位置出し治具を使うことで、アンカー翼と容器内面が接触するのを防ぎ、スムーズな組み立てが可能。

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原料の取り出しを省力化

内容液を簡単に取り出せる撹拌加圧ユニット【採用事例】
  • 容器の反転機能と撹拌機の昇降機能により、原料の取り出し作業をスムーズにし、撹拌機の取り外し作業を不要に。
  • 生産品目や仕込み量に応じて容器を交換できるため、作業の柔軟性が向上し、段取り替えも効率的に。
  • 容器と撹拌機のみを洗浄すればよいため、洗浄時間の短縮とクロスコンタミのリスク低減を両立。

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内製化する樹脂の希釈を省力化

樹脂の希釈を内製化する撹拌ユニット【採用事例】
  • 一斗缶がそのまま置けるホッパー形状により、原料投入時に手を離せる設計で作業を省力化。
  • 撹拌性の高い2段撹拌体と、傾斜角度を強めた片テーパー型容器の採用により、混合・排出作業を効率化。
  • タンクをリフターで持ち上げられるブラケット(フォーク座)を取り付け、重作業を軽減。

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撹拌工程の省力化をご提案できます!

MONOVATEはステンレス容器・撹拌タンク・撹拌機・撹拌装置を設計製造しているメーカーです。

お客さまの省力化に貢献できる製品を1品からご提案いたします。手作業の省力化、自動化などのお悩みがありましたら、気軽にお問い合わせください。

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