撹拌や液体の排出効率を左右する「タンク底バルブ」。本コラムでは、その構造や選定時のポイント、具体的なメリットを解説します。容器の底に設置されるこのバルブが、撹拌効率や洗浄性、衛生面にどのような影響を与えるのかを、図解や事例を交えてわかりやすく紹介します。
このページの内容
撹拌設備を検討する際、 最適な撹拌機の選定 も大切ですが、撹拌機の他にも注目していただきたいパーツが タンク底バルブ です。
実はタンクの排出口は、撹拌効率やサニタリー性に大きく関わる重要なパーツなのです。
鏡板型撹拌タンク バルブ比較動画
撹拌用タンクで選べる3通りの排出方法(ボールバルブ/ダイヤフラムバルブ/ヘルール+ボールバルブ)の違いを、日東金属工業(現MONOVATE)の動画でわかりやすく解説しています。以下の動画をまずご覧ください。
本動画では以下のポイントで比較しています。
00:18 耐薬品性
00:49 開閉しやすさ
01:32 接続部のデッドスペース
02:14 選定ポイントまとめ
02:40 排出の様子(ヘルール+ボールバルブ)
03:44 タンク底ボールバルブ
04:14 タンク底ダイヤフラムバルブ
タンク底バルブってなに?
タンク底バルブとは、その名の通り
タンクの底に直接取り付けるバルブ
です。
本来配管の一部であるはずのバルブが、容器の一部を担っているのが特徴で、従来容器の底についている、ドレン(排水管)を無くすことで撹拌に
様々なメリット
を生んでいます。
タンク底バルブの3つのメリット
①撹拌の効率が向上する
従来の接続方法では、細く狭いドレン部分は撹拌しづらいためデッドスペースとなってしまいます。
タンク底バルブの場合は、バルブの弁がタンクの一部を担うので、
デッドスペースが生まれず
、効率の良い撹拌を行うことができます。
②洗浄性が向上する (ダイヤフラム式バルブの場合)
タンク底バルブの中でも
ダイヤフラム式
のタンク底バルブなら、洗浄性も向上します。
ダイヤフラム式とは、バルブの駆動部分がダイヤフラムと呼ばれる膜で覆われている構造の事を指します。
この膜はPTFEでできているため、水を流すだけで
簡単に汚れを落とす
ことができます。
通常のバルブは分解をしなければ駆動部に入り込んだ汚れを洗浄することができませんが、ダイヤフラム式は駆動部が膜で覆われているため
バルブを分解せずに洗浄ができます。
さらに、分解しないので洗浄時間を短縮できますし、CIP洗浄(定置洗浄)にも対応可能です。
③異物混入を防ぐ
液体排出中やバルブを閉める際に、液体がバルブの機構の隙間に入り込むことがあります。これを液溜まりと呼びます。
液溜まりはロスとなるだけでなく、もし洗浄が不十分で、液溜りがバルブの隙間に残ってしまうと、別の液体を撹拌した際にクロスコンタミネーション(交叉汚染)を起こす原因になります。
ダイヤフラム式タンク底バルブであれば、駆動部がPTFE製の
ダイヤフラムでシールされている
ため液溜りが生じず、
コンタミの防止
になります。
タンク底バルブ付きのステンレス容器
カタログ掲載品
撹拌性や排出性に特化したステンレス容器です。温度調整に対応できるジャケット付きの製品もございます。
オーダーメイド事例
ダイヤフラム式タンク底バルブを採用して製作した、オーダーメイドのステンレス容器をご紹介いたします。
お気軽にお問い合わせください
「完全オーダーメイドでの設計・製作」も承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
図面が無くてもOKです!簡単なイラストや図でご希望のタンクをお知らせください。
