水や原料などをステンレス容器や機器へ流したり投入する際には、配管やバルブを容器や機器へ接続していると思います。これらの接続にはねじ込み継手やフランジ、ヘルールなどの「継手」が使われています。
今回は様々な管継手の中でも、より衛生的な環境が求められる工程で使われる「ヘルール」について、用途や種類、関連製品をご紹介します。
- ヘルールの仕組み・用途について知りたい方
- ヘルールの規格について知りたい方
- ヘルール継手をご検討されている方
ヘルールとは
ヘルールとは、組み付け・分解が簡単で洗浄が容易な継手です。
「サニタリー配管」「サニタリー継手」とも言われています。
ヘルールのしくみ
ヘルールは接続部に溝があり、十字形状のガスケットを間に挟んでクランプバンドで締め付けて固定します。
締め付けは手締めで簡単に固定でき、工具が要りません。
ヘルール継手の種類や、ヘルール関連の製品をご覧になりたい方はこちら
ヘルールの用途
ヘルールは工具不要で組み付け・分解ができるため、洗浄などで取り外しの多い部分に使用されます。
ヘルールの配管内部には凸凹がなく洗浄性に優れており、液だまりもしにくいため、異物混入や菌の発生のリスクを抑えます。
このような特長から主にサニタリー仕様の医薬、化粧品、食品関連などで使用されています。
また、ヘルールは低圧、低真空用にも使用できます。
サニタリーとは?
「衛生的な」という意味で使われます。
凸凹や角を無くして洗いやすくしたり、汚れの溜まりやすい隙間を無くした製品など、洗浄性の向上や異物混入対策となる仕様を、弊社では「サニタリー仕様」と呼んでいます。
MONOVATEのサニタリー製品
衛生グレードの高い製薬工場や食品工場、半導体工場に最適なサニタリー製品については、「最適なタンクはどれだ!?サニタリー製品の特長や違いをご紹介」でご説明しています。こちらもあわせてご覧ください。
ヘルールの規格
ヘルールにはいくつかの規格があります。
IDF/ISOサイズ (ステンレス鋼サニタリー管)
弊社ステンレス容器で主に使用している規格になります。
弊社使用サイズの例)
(IDF・・・国際酪農規格※廃止 ISO・・・国際標準化機構)
ガス管サイズ (配管用ステンレス鋼管 JIS)
メーカーによって寸法が異なる場合があるため、同じメーカー品で組み合わせます。
弊社使用サイズの例)
その他の規格
国によって3A規格/DIN規格/SMS規格などが使われています。
海外製の機器などと接続する際には注意が必要です。
ヘルール選定時の注意
同じ規格でもメーカーや種類により寸法、締め込み部分の角度が異なる場合があり、異なるもので接続した場合、液漏れなどの問題が生じる可能性があります。
新規にタンクや周辺部品を購入する際には、既存の設備のヘルールの規格・サイズやメーカーを把握した上で、同じものを選定しましょう
ヘルールの周辺部品
ヘルール継手を使用する際に必要な周辺部品です。
ヘルールの形状・サイズに合わせて十字形状やツバ付き、網付きなどがあります。
弊社では白色のシリコンガスケットが標準ですが、PTFE/フッ素ゴム/EPDM/NBR/サニクリーンなど、内容物や用途に応じて材質を選定します。
色付きのガスケットや金属製のガスケットを製作しているところもあります。
ヘルール継手の種類
ヘルール継手には様々な形状があります。
使用環境や用途に応じて最適な材質や形状を選択しましょう。
1方向から2方向へ流路を分岐する際に使用します。
フランジをヘルールに変換する継手です。
ヘルール関連製品
ヘルールを使用している製品をご紹介します。
スペースを有効活用できる角型のホッパーです。