MONOVATEのステンレス容器は、製薬工場、食品製造現場、化学薬品の研究開発など、衛生性と品質管理が求められるさまざまな環境で使用されています。こうした現場では、微細なキズや異物混入の原因を見逃さないためにも、製品の仕上がりや表面状態の検査が非常に重要です。
当社では、目視では確認できないような微細な表面の欠陥も検出可能な「浸透探傷試験(PT検査/カラーチェック)」を取り入れ、ステンレス容器の品質を維持しています。お客さまのご要望に応じて、その他の検査にも柔軟に対応しています。
本記事では、当社がおこなっている品質検査のひとつである浸透探傷試験についてご紹介します。
この記事でわかること
浸透探傷試験とは
浸透探傷試験は、PT検査やカラーチェックなどとも呼ばれ、ステンレス容器の表面ににクラック(亀裂)や貫通穴が生じていないかを調べるための検査です。
浸透探傷試験は製品に検査液を塗り、色の様子を観察することで亀裂を探します。
上の写真は、浸透探傷試験でステンレスの蓋の裏側を検査している写真で、蓋とノズルの溶接部分に対して検査しています。
左がステンレス蓋の元々の状態、中央が浸透探傷試験で白色の現像材を塗った状態です。右はノズルの溶接部分を拡大した写真で、蓋と継手のつなぎ目部分に亀裂を示す赤い点が見えています。
浸透探傷試験で赤い点や模様が生じるということは、そこに亀裂や貫通穴が存在することを表します。実際に、このステンレス蓋には、蓋とノズルの溶接部分に溶接不良がありました。
浸透探傷試験の原理
浸透探傷試験は毛細管現象という原理を利用しています。毛細管現象とは、細い隙間や管のような空間を重力に関係なく液体が入り込んでいく現象です。
まず初めにステンレスの表面に赤い塗料を塗布します。このとき、ステンレスの表面に亀裂や穴が空いている場合、赤い塗料がこの隙間に入り込みます。
次に赤い塗料を軽く拭き取り、その上から白い塗料(現像材)を吹きかけます。白い塗料は乾くと無数の細かい隙間持つ膜を作り、毛細管現象により赤い塗料が白い塗料の隙間に吸い上げられます。
このような原理の浸透探傷試験をおこなうことで、ステンレスに生じた亀裂や貫通穴を発見することができます。
品質を守るために
MONOVATEでは、ステンレス容器の品質を維持するために、有資格者による「浸透探傷試験(PT検査)」を自主的に実施しています。
例えば電解研磨を施す製品では、溶接部に微細な亀裂があると仕上がりに大きな影響が出るため、事前の検査は欠かせません。万が一亀裂を見逃したまま電解研磨をおこなうと、研磨後に不良が発覚し再製作が必要となる可能性もあるためです。
より良い製品品質と納期対応の両立を目指し、製造工程の中で適切なタイミングでの検査を取り入れるよう努めています。
お客さまのご要望に応じて、浸透探傷試験の実施や検査証明書の発行も可能です。ステンレス容器の表面検査や品質確認、溶接部の安全性でお困りの際は、ぜひMONOVATE株式会社まで気軽にお問い合わせください。
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