技術コラム

ステンレス台車の選定方法とは?
2014/08/01 09:00

ステンレス台車の選定方法とは?TOP画像

製薬・食品・化学業界などの製造現場では、ステンレス容器や製品の運搬・保管作業の効率化に欠かせないのがステンレス製の台車(架台)です。
使用環境や運搬物に合わせて適切な台車を選定することで、作業時間の短縮作業人数の削減といった省人化・省力化を実現し、コスト削減にもつながります。

このコラムでは、失敗しない台車選定のために知っておきたい、台車の形状・キャスターの形状・キャスターの材質という3つのポイントを、実際の製作事例や製品とあわせて現場視点でわかりやすく解説します。

1. 台車や架台の形状を選ぶ

使用環境や用途、お客さまのご要望に応じて、台車や架台の形状を選びます。
取っ手付きのものや専用台車・架台などさまざまな種類があります。

例えば安定性重視であれば、車輪間隔を幅広にしたものや、容器を固定する支えなどを付けた仕様がおすすめです。
積載物が重い場合は、頑丈なアングル製のものがおすすめです。

台車の形状を選ぶ

台車は容器などの運搬に使用します。
荷台(ものを載せるところ)が低い位置にあるため、安定性があります。
MONOVATE製の台車は、穴あけや切欠きなどの追加工やカスタマイズもおこなえます。

皿台車
MONOVATE容器運搬用皿台車
板材を絞って形成しており、軽量で扱いやすいです。
製品例を見る

アングル台車
MONOVATE容器運搬用アングル台車
頑丈なため、大きい容器や積載物が重い場合に最適です。
製品例を見る

角型台車
オールステンレス台車
オールステンレス製や、蒸気滅菌が可能なタイプもあります。
製品例を見る

取っ手付き台車
MONOVATE取っ手付容器運搬用台車
腰をかがめずに運搬できます。ハンドルはパイプで握りやすいです。
製品例を見る

チェーンと支え板
容器固定式台車
前方にチェーン、後方に支え板があり、容器を安定して運べます。

容器一体型台車
容器一体型台車
容器に直接車輪と取っ手を付け、より安全に運搬できます。
この事例を見る

架台付き台車
架台付台車
容器を着脱できる架台付きです。
この事例を見る

専用形状の台車
特注台車
4つの窪みがあり、運搬対象物同士を干渉させずに運搬できます。

車輪間隔を広げる/低床にする
車輪幅変更/低床台車
車輪を外側にしたり低床にすることで、安定性が向上します。

容器運搬用台車のカスタマイズ

MONOVATEでは先述の皿台車やアングル台車など、丸型ステンレス容器用の台車を製作しています。
ここでは、それらの台車でよくあるカスタマイズをご紹介します。

切欠きをする

台車の切り欠き加工

容器の横ドレンなどと干渉してしまう、台車の側面部分を切欠くことができます。

穴をあける

台車の底に穴加工や切り欠き加工

水抜きや洗浄用に穴をあけることができます。
容器の下部に排出口や部品などがある場合も、干渉しないように穴をあけます。

架台の形状を選ぶ

架台は作業時や移動時に使用します。
作業しやすいように台車より高い位置に物を載せられます。

アングル架台
アングル架台
アングル材でできており頑丈です。

丸パイプ架台
丸パイプ架台
丸パイプでできており軽量で扱いやすいです。

取っ手付き架台
取っ手付き架台取っ手付き架台
移動しやすいようにパイプ取っ手がついています。

撹拌機座付架台
撹拌機座付架台
架台に撹拌機がセットでき、そのまま移動できます。
この事例を見る

ホッパー用架台
ホッパー用架台ホッパー用架台
脚の付いていないホッパーを立たせることができます。

専用形状の架台
特注架台
挿入する機器のサイズに合わせて製作しています。
この事例を見る

容器自体にキャスター脚を付ける

台車や架台で容器を運搬する以外に、容器自体にキャスター脚を付ける方法があります。
容器に直接キャスターがつくことで、移動がより安全でスムーズになります。

この場合のキャスター脚の本数は、3本より4本の方が安定性があり安心です。
特に容量が大きい(重い)容器には4本脚が適しています。

2. キャスターの形状を選ぶ

取り付け先の形状にあわせて、キャスターの形状を選定します。

取り付け用の穴がある|プレートタイプ

キャスター取り付け先に穴が4つ開いている場合は、プレートタイプのキャスターが取り付けできます。

プレートタイプのキャスターは、上部のプレートに4つ穴があり、六角ボルト等で取り付け・固定できるタイプです。
台車のほか、脚付きのステンレス容器、架台に使用されています。

プレートタイプのキャスター

皿台車の皿単体

ねじ込み用のねじ穴がある|ねじ込みタイプ

上部がねじになっており、ねじ込んで固定します。脚付のステンレス容器や架台などに使用されています。

ねじ込みキャスター
ねじ込みキャスター採用例

自在式キャスターと固定式キャスター

車輪が全方向に動く自在式と、直進前後に動く固定式の2種類のキャスターがあります。

自在式キャスター

固定式キャスター

形状例

自在式キャスター

固定式キャスター

動作方向

全方向

直進前後のみ

軽いものを動かしたい場合は、奥側2輪を自在式・手前側2輪を固定式にすると、小回りが利き動かしやすくなります。

重いものを動かしたい場合は、奥側2輪を固定式・手前側2輪を自在式にすると、旋回が簡単におこなえます。

全方向に動かしたい場合は、4輪とも自在式にすると、前後左右に動かすことができます。ただし蛇行するため直進は難しくなります。

キャスターストッパー

キャスターストッパーとは、キャスターの側面に付いている、踏むことでストッパーのON/OFFが決められるものです。

ストッパーは自在式キャスターに多く、主に「キャスターの旋回を止めるもの」「車輪の回転を止めるもの」「旋回と回転の両方を止めるもの」の3種類があります。
ストッパーの種類はメーカーやキャスターによって異なります。

台車キャスターストッパー有無
▲ 前輪がキャスター無し、後輪がキャスター有り

3. キャスターの材質を選ぶ

作業のしやすさ、使いやすさに関わるのは、直接床に触れるキャスターの選定も重要なポイントです。
使用用途や環境に応じて最適な材質を選定することができます。

キャスターの金具部分の材質を選ぶ

MONOVATEでは、主に2種類のキャスター金具材質をご提案しています。
使用環境などにあわせて最適な材質を選定します。

SS:鉄にユニクロームメッキ

鉄にユニクロームメッキを施した金具です。
キャスター金具として一般的に使われています。

SUS:ステンレス

一般的なステンレス材のSUS304製など、ステンレスでできた金具です。
さびにくいため、サビを嫌う工場や湿気のある工程に適しています。

キャスターの車輪部分の材質を選ぶ

MONOVATEでは、主に4種類のキャスター車輪材質をご提案しています。
製品重量や使用環境、お客さまの求める機能を踏まえて、最適な車輪材質を選定します。

車輪材質について詳しくは、使い方に合わせて選ぼう!台車キャスターの種類にて説明しています。

ゴム:一般的・標準

ゴム車

ゴムは安価なため、キャスターの車輪で一般的に使われている材質です。
表面硬度が低いのでクッション性や安定性があります。

ウレタン:床に優しい

ウレタン車

耐油性、耐摩耗性などに優れています。
衝撃を吸収し、床や積載物へのダメージを減らします。
クリーンルーム等に最適です。

導電ゴム:静電気を放出

導電ゴム車

静電気を放出し、キャスターへの埃塵の吸着を防ぎます。
ほかの場所への埃塵の持ち込みを防ぐほか、静電気による災害防止になります。
粉体を扱う工程や静電気を嫌う工程に最適です。

帯電防止ウレタン:静電気の蓄積を防ぐ

帯電防止ウレタン車

床と車輪の摩擦により生じる静電気の蓄積を防止します。
静電気を嫌う工程や、クリーンルームなどの静電気対策に最適です。

最適なステンレス台車をご提案いたします

「どの形状や材質が一番適しているのかわからない」「ステンレス台車をオーダーメイドしたい」など、疑問や質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください!
製作した場合の金額等も無料でお見積もりいたします。

また、MONOVATEのWEBサイトでは架台の特注加工例や、脚付きタンクの採用事例も公開しております。あわせてご覧ください。

台車について相談する

あわせて読みたい記事

腰痛対策になる製品・カスタマイズ事例
キャスター付きだけじゃない!脚付きホッパータンクの種類と特長
知って楽する、自在・固定キャスターの取付位置
使い方に合わせて選ぼう!台車キャスターの種類

更新日:

新着記事

アーカイブ