新着記事
アーカイブ

技術コラム

スラリータンクのご提案例
2024/06/10 09:00

スラリータンクのご提案例

最近、スラリー(泥漿)を扱うお客さまからの相談が増えてきました。
ここでのスラリーとは、原料のペーストや粒子、粉体を水や溶剤などの液体と混ぜ合わせたものです。例えばバインダー(固着剤)を溶解した粘度のあるスラリーや、混ぜ込んだ粒子が重く沈殿しやすいスラリーでは、混合や保管の工程に課題のあるお客さまが多いようです。

このコラムでは、今までにスラリータンクとしてご提案したステンレスタンクの事例の中で、提案のベースとなった当社製品をご紹介します。MONOVATEではこれらの製品と、お客さまの課題・要望・内容物の性質などを組み合わせてカスタマイズし、1案件ごとにオーダーメイドのスラリータンクをご提案しています。

Case1.粒子を分散させたい

スラリー中の沈降しやすい粒子を分散させたいお客さまとの商談では、撹拌機を取り付けできるステンレスタンクをベースに、タンクと撹拌機をセットでご提案しました。撹拌機は、沈降しやすい粒子の分散に適したベルヌーイ流撹拌機をご提案しました。

撹拌タンクと撹拌機のセット
タンク+撹拌機の製品例を見る

Case2.撹拌後、次工程へ送りたい

スラリーを撹拌した後に次工程へ液送したいお客さまとの商談では、次工程の装置に接続しやすい横排出のタンクをベースに、容器と撹拌機をセットでご提案しました。

片テーパー型のタンク
横排出タンク+撹拌機の製品例を見る

Case3.プレ混合せずにスラリーを作りたい

水溶性樹脂や原料をプレ混合(予混合)することなく一度にスラリーを作りたいお客さまとの商談では、液体と粉体の均一混合に特化したミキシングユニットをベースにご提案しました。

ミキシングユニットの製品写真
ミキシングユニットを見る

Case4.排出後の残留物を取り出したい

スラリーのろ過排出後に残る残留物を取り出したいお客さまとの商談では、タンクに反転機構を追加するご提案をしました。
反転機構は、ハンドルを回すことでタンクが傾き、内部の洗浄がしやすくなる機能です。

反転機構の製品写真
反転機構の例を見る

Case5.スラリーを均一に冷却させたい

スラリー冷却時の温度ムラを防ぎたいお客さまとの商談では、ジャケット付きの容器(圧力がかかるとのことで圧力容器)をベースに、容器と撹拌機をセットでご提案しました。撹拌は材料を混ぜ合わせるだけでなく、冷却(昇温)させる際の時間短縮や温度ムラの対策になります。

圧力容器+ジャケット+撹拌機
ジャケット付圧力容器+撹拌機の製品例を見る

Case6.防爆対応したい/溶剤を扱いたい

溶剤を扱うため防爆対応が必要なお客さまとの商談では、加圧容器+エアー撹拌機をベースにご提案しました。開放タンクでは対応できないスラリーの場合は、圧力容器をベースにご提案します。

こんなカスタマイズもできます

「接地(アース)したい」
アースラグ
接地できるように部品を追加します
アースラグ(オプション加工)を見る

「防爆対応不要でも電気モータ撹拌機は避けたい」
エアーモータ撹拌機
エアーモータ撹拌機をご提案します
エアーモータ撹拌機を見る

Case7.スラリー中の凝集物をろ過したい

スラリーからあるサイズ以上の大きさの粒子を減圧ろ過で取り出したいお客さまから、当社の吸引ろ過容器が考えていたものに近いとお問い合わせをいただき、吸引ろ過容器をベースにカスタマイズのご提案をしました。

吸引ろ過容器の製品写真
吸引ろ過容器を見る

なぜMONOVATEはスラリータンクに強いのか

まずは、試作用の小容量から本生産用まで4L~1000L前後の幅広い容量のタンクを製作できることが挙げられます。
試作から本生産に移る際にも当社でタンクの製作を対応できるため、スケールアップ時の品質や仕様の乖離を防ぐことができます。これはスケールダウン時も同様です。

また、スラリーの性質やタンクの使用環境を踏まえて、1台1台スラリータンクを製作できるのが当社の強みです。
例えば腐食性のあるスラリーの場合、タンクには耐食性に優れたステンレス材を選定し、使用部品(パッキンなど)も相性の良い材質を選定するカスタマイズをおこない、安心して長くお使いいただけるように工夫しています。

ステンレスタンク以外にも、タンクと一緒に使う撹拌機やチラー、ポンプなど周辺機器の選定も承っています。周辺機器も含めて当社にご相談いただくことで、お客さまによる設備選定の時間短縮になるだけでなく、スペック不足による生産性や品質の低下、オーバースペックによるコスト増加を防ぐことにもつながります。

MONOVATEのステンレスタンクは、製薬・化学・半導体・食品など幅広い業界の工場や研究室へ長年の納入実績があり、今までの知見から特殊なスラリーでも対応できる可能性があります。実現が難しいと思われる案件であっても、一度弊社へご相談ください。

スラリータンクについて相談する