技術コラム

ステンレス容器に使われる蛇口とボールバルブの違いとは?
2018/07/10 09:00

ステンレス容器に使われる蛇口とボールバルブの違いとは?タイトル画像

液体の小分けに便利なステンレス容器として、当社には蛇口付容器とボールバルブ付容器の2種類の製品があります。

蛇口付容器とボールバルブ付容器

どちらもウォーターサーバーやジャグのように液体を小分けできますが、蛇口とボールバルブにはどのような違いがあるのかご紹介します。

蛇口とは?

蛇口のイラスト

蛇口とは、主に水を出すために水道管などの先に取り付けている栓(バルブ)のことです。

カランや水栓などとも呼ばれ、単水栓、混合栓など様々な種類があります。

ここでは、当社の蛇口付容器に採用している横水栓について説明します。

蛇口付容器 製品ラインナップ

横水栓とは?

横水栓の画像

横水栓は様々な蛇口の基本となる形・構造の蛇口です。

取り付け面から横に出ており、ハンドルを回すだけで簡単に流量を調節できます。

吐出口の向きが決められている固定タイプ、向きが変えられる自在タイプがあります。

当社の蛇口付容器には固定タイプの横水栓を使用しています。

横水栓の構造

横水栓close
横水栓open

※画像は固定コマ式の例です

内部にコマ(弁)があり、ハンドルを回すことでコマが上下し開閉します。

コマには普通コマ式、固定コマ式、節水コマ式などがありますが、当社では固定コマ式の横水栓を使用しています。

普通コマ式

ハンドルを回すと、コマを押さえていた部品(スピンドル)が上がり、コマが水圧によって持ち上がることで吐出する構造で、最も一般的な仕様です。

固定コマ式

スピンドルの先端にコマが付いているので、容器内の水量が少なくなり水圧が弱まっても吐出できます。寒冷地仕様と呼ばれる水栓もこの方式です(水抜きがしやすい構造のため)。

節水コマ式

コマの大きさが通常よりも大きく、吐出量を抑えることができます。

蛇口のメリット・デメリット

蛇口のメリット

  • ・馴染みがあり使いやすく、取り付けや交換も簡単に行える。
  • ・ハンドルの回し加減で流量調整が簡単にできる。

蛇口のデメリット

  • ・耐薬品性に劣るため、薬品や溶剤などには使用できない。
  • ・全開/全閉がすぐにできない。

蛇口付容器 製品ラインナップ

ボールバルブとは?

ボールバルブのイメージ画像

ボールバルブは、設備の配管などでよく使われているバルブです。

使用環境、内容物、接続の継手形状などによって様々な種類があります

ここではボールバルブの中でも当社製のボールバルブ付容器で使われている、ステンレス製ねじ込み式のボールバルブについて説明します。

ボールバルブ付容器 製品ラインナップ

ボールバルブの構造

ボールバルブclose
ボールバルブopen

※画像はレデューストボアのイメージです

バルブの内部に円筒状の穴が空いたボール(弁)があり、レバーで弁を90°回転させて開閉します。

ボールの穴の大きさによって、フルボアタイプ、スタンダードボアタイプ、レデューストボアタイプがあります。

当社のボールバルブ付容器では、レデューストボアを使用しています。

フルボア

バルブの内径とボールの穴が同じで、流量損失がありません。ボールが大きくなるためバルブ自体も大きくなり、重くなります。

スタンダードボア

ボールの穴がバルブの内径に比べて1サイズ小さいです。フルボアタイプとレデューストボアタイプの中間の特長をもちます。

レデューストボア

ボールの穴がバルブの内径に比べて1サイズ以上小さいです。安価で、他のタイプよりもバルブ自体をコンパクトにできるが、流量損失は増えます。

ボールバルブのメリット・デメリット

メリット

  • ・耐薬品性に優れており、溶剤にも使用できる。
  • ・ねじ込み式の配管に接続できる。
  • ・全開/全閉がすぐにできる。

デメリット

  • ・蛇口として使うには、ねじ込みエルボや両ニップルなどで吐出口を作る必要がある。※当社のボールバルブ付容器にはあらかじめ取り付けてあります
  • ・流量の微調整がしにくい。※調整しやすいボールバルブもあります

蛇口付容器とボールバルブ付容器のよくある質問

蛇口付容器とボールバルブ付容器

蛇口付容器とボールバルブ付容器の選び方を、質問形式でご紹介します。

どちらが安いですか?

蛇口付容器のイメージ画像

蛇口付容器のほうがローコストです。
蛇口付容器 製品ラインナップ

蛇口付容器は、容器に穴をあけて横水栓を直接取り付けている構造です。溶接個所がなく部品点数も少ないため、コスト面では蛇口付容器の方が安価となります。

ボールバルブ付容器は、バルブを接続するためにニップルを容器に溶接してバルブを取り付け、ねじ込みエルボや両ニップルなどを組み合わせて吐出口を作っています。

溶剤や薬品などを入れて使うなら、どちらが適していますか?

ボールバルブ付容器のイメージ画像

溶剤や薬品を入れて使用する際にはボールバルブ付容器が適しています。
ボールバルブ付容器 製品ラインナップ

ボールバルブ付容器のボールバルブはステンレス製で、パッキンもPTFEを使用しているため耐薬品性に優れています。

蛇口付容器の横水栓は、材質が黄銅・青銅で、表面にメッキを施しています。パッキンはNBRを使用しており、ボールバルブに比べ耐薬品性に劣ります。

排出口付きの製品とオーダーメイド事例

MONOVATEでは標準で排出口の付いたステンレス容器をご用意しております。

ご希望の蛇口やバルブを取り付けた材料供給用や撹拌工程用のステンレスタンクを、1品から特注製作することもできますので、気軽にお問い合わせください。

蛇口付容器の例

蛇口付製品ラインナップ一覧を見る

ボールバルブ付容器の例

ボールバルブ付製品ラインナップ一覧を見る

排出口付き容器のオーダーメイド事例

アルコール供給用途
アルコール供給容器
この事例を見る

食品原料の貯蔵・排出用途
リフター付きレシーバータンク
この事例を見る

高粘度液貯蔵排出用途
高粘度液貯蔵排出容器
この事例を見る

オーダーメイド事例をもっと見る

製品についてのご相談/お問い合わせ

ステンレスタンクが「使いにくい」「ちょうどよいサイズがない」などのお悩みはありませんか?

MONOVATEでは、排出口付きのステンレスタンクを国内生産しており、1台からオーダーメイドで設計・製作のご提案が可能です。気軽にご相談ください。

製品について相談する 

あわせて読みたい記事

容器と設備をつなぐ陰の立役者!各継手の特長をご紹介
用途別にご紹介!ステンレス容器に設置するバルブ特集
継手が合わない!を解消する助っ人「ジョイント継手」とは?
撹拌設備で押さえておきたいタンク底バルブ

更新日: