「のぞき窓は真空用途でも使えるの?」とお問い合わせをいただくことがあります。
このコラムでは真空に関する超基礎的なお話と、のぞき窓の真空用途での使用について検証のようすをご紹介します。
そもそも真空って何?
「真空」というと、宇宙空間のようにまったく空気がない状態…を思い浮かべる方が多いかもしれません。
辞書的にはそのような意味を指すこともありますが、実はJIS(日本産業規格)ではもう少し広い意味を指します。
「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態」
たとえば、ストローでコップの飲み物を吸いあげるのも真空を利用したものです。
息を吸い込むことでストロー内の圧力が他の場所より低く(真空状態に)なります。コップの飲み物はより低圧の空間に移動しようとするので、結果として飲み物が吸いあがり、私たちはストローで飲み物を飲むことができます。
皆さんが思っているよりも真空は定義が広く、また身近なところに存在します。
身近な「真空」の例
- 吸盤:壁との間を真空状態にし、外側から大気圧で押さえつける(壁などにくっつく)
- 魔法瓶:空気を通って熱が移動するのを防ぐ(中身を保温する)
- 食品の真空パック:空気を遮断し、酸素による酸化やカビの発生を防ぐ(劣化を防ぐ)
弊社の圧力容器も、真空と組み合わせて以下のような使い方でご採用いただいています。
- 吸引ろ過:フィルター越しに液体等を引き込んで異物を除去する
- 脱泡:撹拌により泡立った液体から気泡を除去する 等
※弊社の圧力容器を真空でご利用いただく場合、容器の強度面には問題がなく、ポンプで引き続けるような使い方であれば可能です。ただし真空状態を長期間保持するような使い方の場合、シール材の透過性を考慮する必要があり、現状では保証外となっております。
かなり簡単にですが、「真空」についてご説明いたしました。
実験
今回は以下のような条件で実験を行いました。
使用した製品
* 容器のシール部はシリコン製のOリングを使用
* ワイパーの軸がガラスを貫通しており リークの可能性が高いと想定される形状ののぞき窓を選定しました
実験の流れ
- 容器を真空ポンプに接続し-0.1MPaまで減圧、真空状態に。
- ポンプの運転を止め、真空状態を保持。
- 「ワイパー接続部から容器内の真空状態に影響を及ぼさないか」「のぞき窓のワイパーを動かしても容器内の圧力に変動が無いか」を確認。
結果
ワイパー付きのぞき窓からリークすることなく使用することができました。
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