ステンレス密閉容器によく使われている「パッキン」
配管や周辺部品との接続によく使われている「ガスケット」
これらは消耗品のため適時交換が必要となりますが、ご使用の容器ではどのくらいの頻度で交換していますか?
実際の交換時期は、使用頻度や内容物などによって異なります。
このコラムでは、MONOVATE製の密閉容器に標準付属しているシリコンゴムパッキン【PQA】【PQB】【PQL】における、一般的な交換目安をまとめました。
このコラムでわかること
パッキンとガスケットの違いについて知りたい方は実は身近なシール部品の違いと特性をお読みください。
パッキン・ガスケットの交換目安
パッキンやガスケットは消耗品のため定期的な交換が必要ですが、具体的な交換時期や劣化のサインが分からず判断に迷う方も多いかと思います。
ここではパッキン交換の目安について、4つのポイントに分けてご紹介します。
劣化している
パッキンがボロボロに劣化したり、割れ、欠けが生じていませんか?
パッキンの破損は異物混入の原因となりますので、すぐに新品への交換をお願いします。異物混入の原因の他にも、内容物が漏れたり密閉度が落ちるなどの原因となります。
すぐに劣化してしまう場合は、内容物に対してパッキンの材質が適していない可能性があります。相性のよいパッキン材質であるかご確認ください。
この薬品ってどうやって保管できるの?~薬品に最適なパッキン~
変色・色移りしている
当社のシリコンパッキンは、通常の使用状態でも使用するにつれ黄変します。これは紫外線の影響や素材そのものの劣化によるもので避けられません。
その他に、色の付いた内容物から色移りしてしまう場合があります。これはさらに他の内容物に色移りするなど、コンタミネーションの原因になりますので、内容物ごとに専用のパッキンを用意するか、色が付いたら新品に交換するなどの対応をおすすめします。
また、カビなどが発生するとその跡が落ちなくなります。この場合は衛生的にも問題となりますので、すぐに新品への交換をお願いします。
ニオイが気になる・ニオイが取れない
パッキンはニオイが付きやすい(着香しやすい)です。ニオイの強いものを扱った場合、パッキンにそのニオイが移ってしまい(移香)、洗浄しても残ることがあります。
他の容器にそのパッキンを使用すると、パッキンに付いているニオイが内容物へ移る可能性があります。ニオイの強いものには専用のパッキンを用意するか、ニオイが気になったら新品に交換するなどの対応をおすすめします。
変形した・伸びた
パッキンが正しく取り付けされていないと、クリップやバンドの変形の原因になります。
また、変形していたり伸びてしまったパッキンを使用した場合、うまく密閉されない可能性がありますので、新品への交換をおすすめします。長期保管などでの変形は、お湯に浸けると歪みが改善する場合があります。
トラブルが起こる前にできる対策
異物混入やコンタミネーションが発生してからでは、製品ロスや生産停止などの損失が大きくなってしまいます。
まずは、ご使用前にパッキンの破損や劣化がないかを毎回確認することが大切です。
ここでは、それ以外にも実践できるトラブル防止策を3つご紹介します。
交換サイクルを決める
あらかじめ消耗品の交換時期を決めて、定期的に交換することがおすすめです。
パッキンやガスケットは使用頻度や使用する薬液などによって劣化のスピードが異なるため、明確な寿命を判断するのは難しい場合があります。
そこで、目視での判断だけに頼らず、一定のサイクルで計画的に交換することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
たとえば、「〇ヵ月ごと」「〇回使用後」など、使用環境に応じて交換の基準を設けておくことで、異物混入や漏れといったリスクを低減し、安定した製造環境を保つことができます。
パッキン材質との相性を確かめる
パッキンの材質が内容物に適していない場合、膨潤したり劣化が早くなることがありますので、内容物に適した材質のパッキンをご使用ください。
当社では、さまざまな内容物に対応できるよう、シリコンゴム以外の材質もご用意しております。各材質と特性に関しての詳細は密閉に欠かせないパッキンの材質と特性をご覧ください。
パッキン材質リスト
- CR(クロロプレンゴム)
- EPDM(エチレンプロピレンゴム)
- FKM(フッ素ゴム)
- NBR(ニトリルゴム)
- PTFE(フッ素樹脂)※A型のみ
色付きのパッキンを使用する
当社ではカラーシリコンパッキンをご用意しています(A型のみ)。色は赤・青・緑の3色あり、識別や使い分け、HACCP対応などに適しています。
色付きのパッキンを使用することで、以下の3つのメリットがあります。
パッキンの破損・混入時にわかりやすくなる
色が付いているので、破損箇所がわかりやすくなります。また、内容物と色が異なるようにすれば、万が一破片が混入しても見つけやすくなります。
色移り・ニオイ移りの対策ができる
内容物によってパッキンの色を変えて専用パッキンとして使用することで、他の内容物への色移りやニオイ移りの対策ができます。
パッキンや容器の管理がしやすくなる
使用場所や導入時期、扱っている内容物などによってパッキンの色を変えることで、パッキンや容器の管理がしやすくなります。
パッキン1個だけ、部品1個だけでも購入できます
お使いのMONOVATE製ステンレス容器に付属しているパッキン・蓋・レバーバンドなどの消耗品は、単品でもご購入いただけます。容器のご購入元にお見積りいただくか、当社へお問い合わせください。
ご使用の容器の型式やパッキンの型式が分からない場合は、容器サイズから消耗品の型式をさがすことができます。
容器サイズから消耗品の型式をさがす
部品によってはWEBサイト上でそのままお買い上げいただくことも可能です。
交換部品のご紹介
ここでは、MONOVATE製ステンレス容器の消耗品・オプション部品などの交換部品について、容器の種類別にご紹介します。
キャッチクリップ式密閉容器用
キャッチクリップ式密閉容器は、容器に取り付けられているキャッチクリップで簡単に簡易密閉できるステンレス容器です。
A型シリコンパッキン【PQA】
A型カラーシリコンパッキン【PQA-RE/BL/GR】

カラーパッキン付密閉容器の標準付属パッキン、クリップ式密閉容器(例:CTH-18~47H/CTB)のオプションパッキンです。
PTFEパッキン【PPA】

PTFEパッキン付保存容器の標準付属パッキン、クリップ式密閉容器(例:CTH-18~565H/CTB)のオプションパッキンです。
※樹脂パッキンなので、ゴム製のパッキンに比べ密閉性は劣ります。
A型パッキンのオプション材質
B型シリコンパッキン【PQB】

クリップ式密閉容器(例:CTH-565~100H)、バンド式密閉容器(例:CTL-565~100H)の標準付属パッキン、クリップ式密閉容器(例:CTH-18~47H/CTB-18~33)のオプションパッキンです。
B型パッキンのオプション材質
密閉蓋(18~47用)【MF】

密閉蓋(565~100用)【MF】

透明アクリル蓋【AF】

レバーバンド式密閉容器用
レバーバンド式密閉容器は、レバーバンドで簡単に容器を簡易密閉できるステンレス容器です。
L型シリコンパッキン【PQL】
L型パッキンのオプション材質
バンド式密閉蓋【CF】
レバーバンド【LB】

汎用容器(非密閉容器)用
汎用容器はパッキンを使用しない、かぶせ蓋タイプのステンレス容器です。
ストック蓋【SF】
ヒラ蓋【HF】

大型汎用容器(例:ST-565~100H)の標準付属蓋、汎用容器(例:ST-18~47H/STB-18~33)オプション蓋です。