食品や薬品の生産工程では欠かせない、粉体混合機。
粉の撹拌は、液体のそれのように攪拌機を用意すればすぐにできるというものではありません。
粉は流動的に動かないため、ムラなく混合するためには専用の機械が必要です。
(粉の流動性についてはこちらのコラムをご覧ください。)
今回は数ある粉体混合機の中から一般的なものをいくつかご紹介いたします。
この記事の内容
- 粉の撹拌は単に撹拌機を用意すればよいのではなく、専用の機械が必要
- 粉体混合機は「容器回転型」と「攪拌型」の2種類に分けられ、それぞれ特徴がある
- 混ぜる原料やその比率、重量に応じて最適な混合機を選定しよう
粉体混合機の形は大きく二つに分けられます
容器回転型
- 容器自体を回転させることで、中に入れた粉体を混合する。
- 粉全体を混合し、デッドスペースが生じない。
- こわれやすい粉体の混合に最適。
撹拌型
- 容器内の撹拌羽根が回転することで粉体を混合する。
- 設置スペースが小さく、かつ操作が簡単。
- 回転体が容器で覆われているため、安全。
主な混合機の紹介
①W型混合機
- 二つの円錐を合わせたような形の容器を回転させることで粉体を混合する。
- こわれやすい粉体の混合に最適で、食品や医薬品の生産によく使われている。
- 構造がシンプルなので、洗浄が簡単でコンタミを防ぐことができる。
- V型よりも混合に時間がかかるが、精度の高い混合が可能。
②V型混合機
- V字型の容器を回転させることで粉体を混合する。
- こわれやすい粉体の混合に最適で、食品や医薬品の生産によく使われている。
- 構造がシンプルなので、洗浄が簡単でコンタミを防ぐことができる。
- W型に比べ、短い時間で粉体混合が可能。
③ドラム型混合機
- 粉粒体が入った密閉容器をそのままセットし、回転させることで混合する。
- 密閉容器内で混合するため、異物混入の心配がない。
- 粉の粒子をこわさず、混合が可能。
④リボン混合機
- 撹拌型の混合機では基本的なタイプ。
- リボン状の羽が容器内で回転し、粉体を混合する。
- 設置スペースが小さいにも関わらず、処理量が大きく、かつ短時間で混合が可能。
- 混合しながら、液体などの投入が可能。
⑤円錐スクリュー型
- 円錐型の容器に対して、垂直にスクリューが設置されている。
- 撹拌軸を回転させながら、スクリュー自体も容器内を回転移動することでムラのない混合を行う。
- 少ない動きでムラなく混合ができるので内容物の損傷を抑えることができる。
粉に合わせて選ぶ混合機
今回は数ある粉体混合機の中から、一例を紹介しました。
混合機は、混ぜる原料の比率や重量などによって得意、不得意があります。
混合する対象をよく見極めて混合機の選定を行いましょう。
<情報提供 株式会社エイシン>
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