技術コラム

圧力容器って何に使うの?
2019/10/01 09:00

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MONOVATEでは常圧用のステンレス容器の他に、工場や研究室で使われている主に1L~200L程度の小容量の圧力容器を製作しています。いわゆる「工業用の圧力容器」なので、普段の生活ではほとんど目にする機会がなく、製品を見ただけでは何に使うものなのか分かりにくい製品だと思います。

そこでこのコラムでは、圧力容器が具体的にどのような目的で使われる製品なのか、今までに製作した製品事例をもとに説明します。なお、圧力容器の基本的なお話については、関連コラムわかりづらい圧力容器を解説します!をご覧ください。

貯蔵 / 圧送に使われる圧力容器

医薬品や化学薬品、食品などの製造現場では、液体や粘性のある内容物を一時的に貯蔵し、必要なタイミングでスムーズに圧送する工程が欠かせません。ここでは、貯蔵・圧送用途で採用された圧力容器の事例をご紹介します。

液体原料の貯蔵と圧送

液体原料の貯蔵と圧送に使われる圧力容器

薬品メーカーさま採用
容量:35L

液体原料を一時貯蔵し、必要な時に圧送を行うための圧力容器です。
下部に排出口があるため、最後までスムーズに液送できます。
蓋を開けた時の安定性を重視した仕様になっています。

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試薬の保管と圧送

試薬の保管と圧送に使われる小型圧力容器

製薬メーカーさま採用
容量:0.1L

試薬の保管と圧送を行うための圧力容器です。
キャップに移送用のパイプが付いています。
転倒を防ぐため、底を大きくし重くしています。
SUS316L製、内面電解研磨の高グレード仕様です。

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餃子の餡の圧送

ステンレス容器の実験事例:餃子の餡の圧送

食品メーカーさま採用

餃子の餡を圧送する容器の製作依頼を頂きました。
製作前に当社のデモ機を使用して圧送実験を行いました。

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撹拌 / 混合 / 溶解(+圧送)に使われる圧力容器

薬液や原料を「撹拌」「混合」「溶解」し、次工程へスムーズに圧送するには、密閉性や温調機能、撹拌効率の高い装置が求められます。

MONOVATEでは、撹拌機やジャケット、恒温循環装置などを組み合わせたオーダーメイドの圧力容器をご提案できます。ここでは、製薬・化学・食品などの製造現場で採用された圧力容器をご紹介します。

外気に触れさせたくない薬液を投入・撹拌・脱泡後に圧送

薬液を外気に触れさせずに撹拌・脱泡・圧送するための圧力容器

化学繊維メーカーさま採用
容量:45L

薬液を外気に触れさせずに撹拌・脱泡・圧送するための圧力容器です。
密閉状態で撹拌できる撹拌機を組み合わせています。
圧送先の機器まで移動するため、専用台車がセットになっています。
接液部SUS316L、内面電解研磨の高グレード仕様です。

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薬液を撹拌・混合後に圧送

薬液の撹拌圧送用圧力容器

衛生関連医薬製造メーカーさま採用
容量:200L

規定量の薬液を下部撹拌機で撹拌し圧送するための圧力容器です。
下部撹拌機は、少ない液量での撹拌や沈降防止に適しています。
SUS316L製、内面電解研磨の高グレード仕様です。

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液体に粉体材料を投入、加温・溶解・脱泡後に圧送

液体と粉体の溶解・脱泡・圧送用圧力容器

製薬メーカーさま採用
容量:30L

液体と粉体を溶解・脱泡し、他の機器に圧送するための圧力容器です。
ジャケット容器/撹拌機/恒温水循環装置/真空ポンプ/バルブ等を組み合わせた複合製品です。
撹拌機は容器の上部と下部に取り付けています。
SUS316L製、内面電解研磨の高グレード仕様です。

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材料を温調しながら攪拌・混合し、底から排出

温調攪拌できる圧力タンク

材料メーカーさま採用
容量:15L

一定温度内にて材料を撹拌するための圧力容器です。
容器は低圧による加圧、減圧ができます。
加温や冷却ができるジャケット付きです。
下部に排出口があるため、最後までスムーズに排出できます。

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コンタミを嫌う材料を加温しながら撹拌・溶解

加温・撹拌・溶解するための圧力容器

化学薬品製造メーカーさま採用
容量:300L

コンタミネーションを嫌う材料を加温・撹拌・溶解するための圧力容器です。
保温と火傷防止のために断熱材を巻きつけています。
溶解状態を確認できるように、LEDライトとのぞき窓が付いています。
SUS316L製、内面電解研磨+不動態化処理の高グレード仕様です。

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原料を冷却しながら撹拌

冷却混合用圧力容器

製薬メーカーさま採用
容量:60L

製剤の原料を冷却しながら混ぜ合わせるための圧力容器です。
密閉状態で撹拌できる撹拌機と冷却用コイルが付いています。
蓋や容器はリフターで持ち上げられる仕様になっています。
SUS316L製、内面電解研磨の高グレード仕様です。

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ろ過 / 充填に使われる圧力容器

製薬・化学・エレクトロニクス業界などでは、内容物のろ過や充填工程において、衛生性や作業効率を考慮した圧力容器の活用が進んでいます。

MONOVATEでは、加圧ろ過や吸引ろ過、コールドトラップなど、ろ過と充填の用途に適した圧力容器を多数製作しています。以下では、実際にご採用いただいた事例をご紹介します。

内容物を加圧ろ過し、充填(圧送)

加圧ろ過と充填をおこなう圧力容器

製薬メーカーさま採用
容量:約39L

原薬の製造時に使用し、加圧ろ過した内容物を受けタンクへ充填するための圧力容器です。
リフターで受けタンクとの高低差を出し、充填時間を短縮します。
SUS316L製、内面電解研磨の高グレード仕様です。

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原料の吸引ろ過

吸引ろ過(減圧ろ過)用圧力容器

エレクトロケミカル材料メーカーさま採用
容量:50L

ロートから吸引ろ過(減圧ろ過)するための圧力容器です。
蓋にビフネルロート、容器に加減圧口が付いています。
容器には内容量を確認できるレベル計がいています。

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ろ過用フィルターのケース

注射剤製造工程の中間容器

製薬メーカーさま採用
容量:約5L / 10L

薬液の不純物を濾すフィルターを入れて使用する圧力容器です。
注射剤製造工程の中間容器として使用します。
容器内の状態が確認できるように、のぞき窓が付いています。
SUS316L製、内面電解研磨の高グレード仕様です。

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コールドトラップ

ガス内の不純物や溶剤を取り除く圧力容器

総合ケミカルメーカーさま採用
容量:0.5L

ガス内の不純物や溶剤を取り除くための圧力容器です。
ジャケット部に入れた冷却液にて、内槽にある仕切り板と内槽の外面を冷却し、内槽に流入させたガスに含まれている不純物や溶剤を吸着します。

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圧力容器その他の使われ方

その他の用途で採用された圧力容器の事例をご紹介します。

液体に酸素を溶け込ませる

液体に酸素を溶解させる圧力タンク

大学研究室様採用
容量:5L

余分な空気を排気した容器内に酸素を送り込み、液体内に酸素を拡散させるための圧力容器です。
リークバルブ付きで、過多な内圧がかからないよう調整できます。
底面に排出口がありスムーズに排出できます。

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高温の薬液を噴霧する

薬液噴霧用圧力タンク

化学薬品メーカーさま採用
容量:3.5L

高温の薬液に圧力をかけ、噴霧させるための圧力容器です。
噴霧量はアクチュエーター(電動弁)により調整します。

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圧力容器の主な用途まとめ

圧力容器は、製薬・化学・食品などさまざまな製造工程で以下のような目的に使用されています。

  • 内容物を他の装置や容器へ加圧して移送(圧送)する
  • 外気との接触を防ぎ、コンタミネーション等を防止する
  • 密閉状態で撹拌・混合・脱泡する
  • 加圧ろ過・吸引ろ過による不純物等の除去
  • 製品や原料を充填する

圧力容器の導入をご検討中の方へ ─ デモ機貸出・デモ実施中

MONOVATEでは、導入前に実際の使用感や仕様を確認いただけるよう、圧力容器のデモ機貸出や社内デモをおこなっています。撹拌・圧送・ろ過などの用途に合わせたご提案が可能です。気軽にご相談ください。

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