試験概要?
経 緯
化粧品製造メーカー様にて化粧品原料(シリコンエマルジョン)を入れたステンレスタンクに穴が開いたとの連絡が入りました。
ステンレスタンクに穴が開いた原因としてシリコンエマルジョンに含まれている液体の成分にステンレスを腐食させる材料が含まれていると考えられます。
この化粧品原料(シリコンエマルジョン)が、弊社の使用しているステンレスや、表面処理を施したステンレスを腐食させるのか確認を行いました。
目 的
化粧品原料となるシリコンエマルジョンにより材質、表面処理の違うステンレスタンクの腐食の確認試験を行い、ユーザー様に向けてのデータとして収集します。
内容物
品名:DN-シリコンエマルジョン-10万
(化粧品用、繊維加工用、剥離紙用、消泡用、食品添加物など幅広い分野で使われています。)
![SIemulsionp](/contents/SIemulsionp.jpg)
?テスト条件
室温にて1ヶ月間、化粧品原料(シリコンエマルジョン)を3種類のステンレスタンクにて保管する。
化粧品原料(シリコンエマルジョン)液を底から約30mmの深さまで入れる。
![IMG_1600-1p](/contents/IMG_1600-1p.jpg)
ステンレスタンクの種類
①SUS304 バフ研磨 / ②SUS304 バフ研磨後、電解研磨 / ③SUS316L バフ研磨
![](/contents/IMG_1562-4_000.jpg)
結 果
①SUS304 バフ研磨
NG ?腐食により穴が開きました
![IMG_1585-1p](/contents/IMG_1585-1p.jpg)
![IMG_1630-1p](/contents/IMG_1630-1p.jpg)
![IMG_1630p](/contents/IMG_1630p.jpg)
②SUS304 バフ研磨後、電解研磨
OK 腐食が見られません
![IMG_1641p](/contents/IMG_1641p.jpg)
③SUS316L バフ研磨
OK 腐食が見られません
![IMG_1646p](/contents/IMG_1646p.jpg)
所 見
腐食したSUS304に対して内面に電解研磨処理をすることで耐食性の向上を図ることや、より耐食性の高い素材、SUS316Lを使用することが、化粧品原料(シリコンエマルジョン)に対して有効であることがわかります。
ただし、シリコンエマルジョンにステンレスを腐食させる材料が含まれていることから、問題の無いタンク②、③に対しても長期間使用すると腐食する可能性はないとはいえません。
この為、タンクに入れる内容物によっては適切な素材選びと表面処理が必要となります。
弊社では、これらにお答えできる経験と実績により最適な選択をご提案いたします。
まずはご相談をお待ちしております。