蜂蜜製造ライン導入現場

「外注に払っていた前処理コストをなくせた」
湯煎・撹拌・搬送を一体化し、蜂蜜製造の作業時間は1/3に

“数年で投資回収できる” と判断した設備導入。
課題
・ドラム缶原料が扱えない: 200Lドラム缶の湯煎設備なく、小分け作業は外注対応。
・コスト負担: 一斗缶への小分け外注が必要で、年間の負担が大きかった。
・作業効率の低さ: 手作業撹拌や移し替えが重労働で、処理量にも限界があった。
改善策
・大容量対応の湯煎槽: 200Lドラム缶2本または一斗缶8缶を湯煎できる角槽を導入。
・工程一体化: 湯煎 → 搬送 → 温調撹拌 → 充填前工程までを一つのラインとして構築。
・仕様最適化: 蜂蜜の特性に合わせてフランジヒーターやポンプ仕様を調整。
効果
・前処理の内製化: 外注依存の小分け作業が不要となり、大幅なコスト削減に。
・作業効率向上: 工程一体化により作業スピードが従来の約1/3へ短縮。
・負担軽減: 手作業撹拌が不要となり負担軽減。品質維持のまま安定製造が可能に。
・投資回収: 導入から5年が経過し、設備投資分も十分に回収できている。
有限会社ビー・スケップ(山のはちみつ屋)様
「山のはちみつ屋」の屋号で養蜂を基盤に、蜂蜜の製造・加工・販売を行う蜂蜜専門企業。
国内外の原料蜂蜜に対応した生産体制を整え、素材の特性を生かした高品質な蜂蜜づくりを追求しています。
蜂蜜製造現場の様子
有限会社ビー・スケップ 代表取締役社長 西村様
導入から約5年が経過した現在、設備を使い続けてきた視点から、
当時の背景や現在の運用状況について、西村社長にお話を伺いました。

導入前の課題と製造工程

Q 現在、この設備でどのような製品を製造されていますか?
当社は年間40~50トン規模で蜂蜜を製造しています。
原料蜂蜜は、海外産は200Lドラム缶、国内産は一斗缶で仕入れるのが一般的です。

これらの原料を湯煎で溶かし、ポンプで温調撹拌タンクへ送り、撹拌・温調を経て 最終的に充填タンクへ送液するという一連の製造工程を、この設備で担っています。
本事例で納入した主な設備
▲本事例で納入した主な設備
(湯煎槽・搬送用ポンプ・250L温調撹拌タンク・送液配管)
蜂蜜製造工程イメージ
▲全体工程イメージ
Q 設備導入以前は、どのような工程で蜂蜜を製造していましたか?
導入前は、一斗缶を2缶だけ入れられる温風循環式融解装置を2台使い、 少量ずつ蜂蜜を溶かしていました。
一斗缶単位での処理しかできず、200Lドラム缶のままでは融解できない設備構成だったため、 扱える量に大きな制限がありました。

また、融解後は粘度の高い蜂蜜を手作業で撹拌し、 別容器へ移し替えて次工程に運ぶ必要があり、 仕込み量も作業効率も非常に限られた工程でした。
従来の蜂蜜融解装置 従来の蜂蜜融解装置
▲従来使用していた温風循環式蜂蜜融解装置
Q 従来工程では、どのような課題がありましたか?
最大の課題は、作業効率の悪さと外注費の発生でした。

海外産蜂蜜は200Lドラム缶で仕入れますが、当時の設備では ドラム缶をそのまま湯煎・融解できる装置がなく、 粘度の高い蜂蜜をポンプで吸い上げる仕組みもありませんでした。

そのためドラム缶原料は自社で処理できず、外部業者に 一斗缶への小分け(前処理)を依頼するしかなく、これが大きな負担となっていました。

さらに、融解後の撹拌はすべて手作業で行っていたため作業負荷が高く、 腱鞘炎やテニス肘になる従業員もいたほどでした。
生産量が増えるほど非効率が顕著になり、 より効率的な方法が求められる状況になっていました。

設備選定の背景と仕様検討

Q 今回の設備導入を検討された背景を教えてください。
設備導入を検討し始めたきっかけは、 200Lドラム缶原料を自社で処理できず、前処理(小分け)外注費が大きな負担になっていたためです。

「この外注費を払い続けるより、ドラム缶のまま処理できる設備を導入した方が良いのでは」 と考え、具体的な検討を進めました。

同業者の工場見学やFOOMA JAPAN(食品機械の展示会)での情報収集を行う中でMONOVATEを知り、 現場を確認していただきながら仕様の相談を進めました。
導入効果を試算すると、数年で投資回収が可能と判断できたことも大きな決め手でした。
Q 導入にあたり、どのような仕様検討・改善策を行いましたか?
海外蜂蜜の200Lドラム缶と国内蜂蜜の一斗缶の両方に対応できるよう、 ドラム缶2本または一斗缶8缶を湯煎できる角槽を設計していただきました。
蜂蜜は60℃以上で栄養素が壊れるため、角槽と温調撹拌タンクには フランジヒーター+制御盤による温度管理機能を搭載しています。

また蜂蜜は温度で粘度が大きく変わるため、湯煎後に詰まりなく搬送できるよう、 ポンプ仕様や撹拌機のモーター選定をMONOVATEと相談しながら決めていきました。

工場には天井高の制限があったため、ドラム缶を湯煎槽にセットできる高さを確保するために床を掘って角槽を設置する形になりました。
床の高さが決まったうえで、その設置条件に合わせて 設備側(湯煎槽まわりやタンクまわり)の高さや位置関係を調整していただきました。
湯煎槽
▲湯煎用角槽
湯煎槽
▲地下設置した角槽に取り付けたフランジヒーター
(温度制御により安定した湯煎を実現)

導入後に得られた改善効果

Q 実際に導入してみて、どのような効果がありましたか?
まず大きな効果として、200Lドラム缶を自社で処理できるようになったことが挙げられます。 これにより、外部業者へ依頼していた前処理(小分け)作業が不要となり、 大きなコスト削減につながりました。

さらに、湯煎 → 搬送 → 撹拌 → 充填の流れが 一つのラインとしてつながったことで作業効率が向上し、 作業スピードは従来の約1/3に短縮されました。

手作業で行っていた撹拌作業も アンカー翼撹拌機で安定して行えるようになり、 作業負担が軽くなりました。
外注費削減と工程効率化により、 導入から5年が経った現在では設備投資分も十分に回収できています。
ポンプ搬送
▲湯煎した蜂蜜をポンプで温調撹拌タンクへ搬送する様子
撹拌の様子
▲粘度の高い蜂蜜をアンカー翼で均一に撹拌
充填タンクへの送液
▲温調後の蜂蜜を配管で隣室の充填タンクへ送液

導入後の運用評価と満足度

Q MONOVATEの設備や対応について、どのように評価されていますか?
導入にあたっては、現場調査や据え付け時など必要な場面で対応いただき、 蜂蜜の粘度や作業動線を踏まえて仕様を検討できた点が助かりました。

フランジヒーターやポンプの選定など、こちらの製造工程に合うよう丁寧に調整いただき、 仕様検討を重ねる中で安心して相談できる関係が築けたと感じています。

導入から5年ほど経ちますが設備は安定して稼働しており、 外注費削減や効率化といった効果も継続しています。 費用対効果も含め、「導入して良かった」と感じています。
250L温調撹拌タンク
▲250L温調撹拌タンク

【編集後記】
今回の取材では、納入から約5年が経過した設備の稼働状況や、 実際に使用してみて感じられた効果について、 代表取締役社長の西村様にお話を伺いました。

現場では実際の蜂蜜製造の様子も拝見させていただき、 設備導入に至るまでの思いや、日々製造に携わる従業員の皆さまへの 細やかな配慮が随所に感じられました。

お話を進める中で、設備の使い勝手や今後の運用に向けて、 「ここはさらに良くできそうですね」といった前向きな意見交換もでき、 現場をより良くしていこうとされる姿勢がとても印象的でした。

取材の後、製造された蜂蜜を味わわせていただきましたが、 現場を見たうえで味わったことで、いつも以上に美味しさが心に残ったのを覚えています。

今後も引き続き、設備面でお役に立てるよう全力でサポートしてまいります。
改めまして、快く取材にご協力いただきましたこと、心より感謝申し上げます。

ヒーターユニットで加温・撹拌工程を最適化しませんか?