国内で相談・設計でき、組み立てまで対応。納入後の疑問点にも答えてもらえて安心できました。
ダイニングバー運営会社 L社
東京・練馬と埼玉県を中心に17店舗を展開するダイニングバー運営会社。飲食店の開業支援なども行うなか、2020年にクラフトビール醸造所をオープン。2021年、2022年の「ジャパン・グレートビア・アワーズ」で銀賞・銅賞計5つのメダルを獲得し、今後はさらなるビール事業の拡大を計画中です。
もともと540L程度のタンク2台(海外製)をフル稼働して使用していましたが、需要の半分にも応えきれていなかったことから、日東金属工業製発酵タンクの導入を決定。
今回は同社が運営する埼玉県富士見市の醸造所で、担当のH様に事業の状況や製品導入までのお話を伺いました。
はじめてのビール造り-新規事業としてのクラフトビール醸造
-こちらのお店ができた経緯や歴史を教えてください。
このお店ができたのが2年前くらいで、ちょうど醸造の免許が取れたのも同じころでした。
もともと、弊社では練馬を中心にダイニングバーを開拓していましたが、そのようななかで新しい事業ができないかを検討し、クラフトビール醸造をはじめることになりました。
-一から醸造事業をはじめていかなければならないうえで、難しいことなどはありましたか。
まず、ビールの免許をとるためにビールを作る工程を学ばなければなりませんでした。しかし、まったく知識がなかったのでコンサルタントのライナさんに教えていただきながら、1年かけて勉強しました。
最初のころは自分で理解してやっているというよりも、言われたことをやっているだけという毎日。かなり大変な日々でしたが、最近ようやく理解できてきたという感じです。
当初は「ビールなんて作れるのかな...」と思っていましたが、ビール造りを勉強していくうちに、意外と弊社のように小規模で作っていることもあるのだなということを初めて知りました。
少し値が張っても日本製で安心できる製品がよいと思い決断しました
-もともとは海外製のタンクを導入されていたそうですね。
はい。540Lのタンクを2台導入しました。1000Lちょっと生産できる体制でしたが、全17店舗あるなか1店舗だけで300Lくらい消費しますので、なかなか需要に供給が追いついていませんでした。
- そこで新しい容器の検討を?
先ほどお話ししたコンサルのライナさんに、日東金属工業さんの容器の話を伺いました。
最初に導入した容器は海外製でしたが、やはり日本製のほうが手元にくるまでのルートが安心・確実です。なにより、連絡が取りやすいので設計時に希望を伝えたり、故障が起きたときなどの相談に安心感があります。やっぱり、少し値が張っても日本製で安心できる商品がよいと思い決断しました。
あとはちょうどコロナ禍ということとウクライナ情勢の影響もあり、海外からの輸送にどのくらい時間がかかるかわからなかったり、送料がどれだけ高くなるのかという心配があったことも理由の一つです。
-「少し値が張る」とのことですが、弊社の製品は高い印象がありましたか。
たしかに海外製のほうが安いですが、結局送料が何十万もかかってしまいます。
それに、日東金属さんであれば国内で相談してすぐに設計に反映してもらえますし、醸造所内での組み立てもおこなってもらえます。さまざまな疑問点にも答えていただき、安心しておまかせできたのですごく高いという印象はありませんでした。
営業・技術担当の方にすごく親身になっていただけてよかったです
-弊社技術のKと営業のFとでやり取りをさせていただきましたが、いかがでしたか。
技術のKさんはワイルドな見た目でびっくりしましたが、すごく親身になっていただけてよかったです(笑)。
現場責任者である私と技術担当のKさんとで直接やりとりを、金額的な部分では弊社担当者と営業担当のFさんとでやり取りができ、とてもやりやすかったです。
-納入後はいかがでしょうか。
納品していただいてから2か月くらい経ちましたが、この真夏の暑さの影響でチラーをうまく使いこなせず、一度中身をすべて捨ててしまったんです。
いまは技術担当のKさんと相談しながら、2回目の仕込みをしたところです。まだタンクのクセや特性を掴みきれていないところがあるので、まだしばらく時間がかかりそうです。単純に作れないのがビールの難しいところであり、奥深いところではありますね。1年くらいは試行錯誤が必要です。
今後の展望は-
-御社のヴァイツェンがジャパン・グレートビア・アワーズ(JGBA)を受賞されていますね。
そうなんです。実は今年2022年のJGBAではIPAも賞をいただきました。
-おめでとうございます!ブルワリーは埼玉で16か所ほどあるとのことで、ライバルも多そうですね。
ブルワリーは年々増え続けているのですが、クラフトビールの業界はライバルという感じではなく、切磋琢磨しながらやっていてバチバチしていません。お互いに情報交換をしており、レシピなどを秘密にしているところも少ないのでやりやすいです。
-今後の展開として、醸造所を拡大する際には弊社のタンクはご検討いただけそうでしょうか?
はい。早速見積もりをお願いしたいと考えています。次の場所に必要なスペースと費用とを確認して、生産量を考えながら検討していきたいと思います。
編集後記
すでに供給が追い付かないほどの人気があるL社様。その需要に応え、さらに新たなテイストにも挑戦していこうという勢いのあるフェーズに、日東金属工業としても微力ではありますが貢献していきたいと思いました。
【営業コメント】海外製は安いですが、輸送費などを考えると日本製も検討に上がります。さらに、調達の信頼度や不具合があったときなどのアフターサポートの面で、日本に拠点を置く会社のほうが安心感があるでしょう。とはいえ、そもそも今回納入させていただいたような発酵タンクで、日本製のものは数少ないのが現状。当社であれば、糖化・煮沸・発酵の3つの工程に合わせた日本製タンクをまとめてご用意できます。
【設計コメント】希望容量を満たしつつ搬入口サイズ以内にするという制限に加え、搬入・設置を容易にする観点から移動可能にする必要がありました。また、上部投入口は可能な限り大きな開口にするとともに、蝶番式の蓋にしています。納入場所や作業上の必要性に応じて、適切な仕様でご提案できます。