医薬品原料の予備混合工程を、手作業からロータリードラムミキサーによる機械化に切り替えられるか――今回はそのテストのご報告です。
1バッチ28kgの医薬品原料を2~3袋に分けて手で振り混ぜる――10kgの米袋を何度も持ち上げて振るような作業が、1日に18回発生している現場から、機械化のご相談をいただきました。
目次
- ご相談の背景―10kgの粉袋を繰り返し振って混ぜる作業の2つの課題
- 今回のテストの概要
- テスト結果
- 安全対策と設置スペースについて
- まとめ
1. ご相談の背景―10kgの粉袋を繰り返し振って混ぜる作業の2つの課題
今回ご相談をいただいた医薬品メーカー様では、
この手混合には、2つの課題がありました。
課題1:安全面
小分けした原料は1袋あたり10kg近くになります。ちょうど米袋10kgと同じくらいの重さです。それを繰り返し持ち上げ、しっかり混ざるまで振り続ける。この作業が1日18回――作業者への身体的負荷は無視できないレベルで、製造現場における安全リスクとして認識されていました。
課題2:品質の安定
手混合は作業者の技量に依存します。「手混合が上手な人とそうでない人がいて、品質を安定させるのが難しい」というのが現場の実情でした。
この2つを同時に解消できる方法として、ロータリードラムミキサーによる機械化を検討されることになりました。
2. 今回のテストの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象原料 | 医薬品原料粉体(1種類) |
| 目的 | メイン混合工程前の予備混合。1種類の原料を混合し、粒度分布の均一化。 |
| バッチ量 | 28 kg |
| 使用装置 | ロータリードラムミキサー(RODM-65 65Lタンクタイプ) |
実際の使い勝手も確かめながらテストを進めていきます
3. テスト結果
混合後の原料を、目の粗さが異なる複数の篩にかけて、各粒径画分に分けて状態を確認しました。
混合の結果は良好で、粒度分布が均一な状態に混合されていることが確認できました。
4. 安全対策と設置スペースについて
テストで実際の動きをご覧いただいたうえで、お客様から安全対策について下記のご要望をいただきました。
- 非常停止スイッチの設置
- インターロック付き防護柵の設置
- レイアウト変更に対応できるよう、柵は本体一体型にしたい
インターロックとは、柵を開けると装置が自動停止する仕組みです。万が一の接触を防ぐための安全機構として、非常停止スイッチと並んで製造現場では重要な要件のひとつです。
一方で、製造現場では設置できるスペースが限られているケースが多く、今回もその点が重要な条件のひとつでした。
安全対策の要望をいただきながら、設置スペースも考慮しながら具体的な仕様を決めていくことになります。
今回のテストで使用したRODM-65(65Lタンクタイプ)の参考寸法は、幅830mm×奥行1045mm程度です。一般的な事務所のデスクに近いサイズ感で、粉体混合設備としてはコンパクトな部類に入ります。
柵を含めた最終的な設置面積は仕様によって変わりますが、スペースに制約がある現場での導入実績もあります。
なお、医薬品のお客様に向けた各種検査やGMP対応も可能です。バリデーション書類など、導入時に必要な書類整備についてもあわせてご相談いただけます。
5. まとめ
今回のテストを通じて、以下の点が確認できました。
- 28kgバッチの医薬品原料粉体について、ロータリードラムミキサーで粒度分布の均一な混合が可能であること
- 医薬品製造現場が求める安全対策(非常停止・インターロック柵・本体一体型)に対応できること
- 限られた設置スペースにも対応できるコンパクトな設計であること
1日18回の手混合を機械に置き換えることで、作業者の負荷を減らしながら、混合品質のばらつきを抑えることが期待できます。
